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ー平子はその手紙を見て、先日のひよ里ではないが、明らかに"別れを告げるかの様な"内容に眉をひそめるー
ーしかしそんな平子とは対象的にAの表情は、どこかすっきりしていたー
『この手紙が来たとき、酷く動揺しました。初めての手紙で"もう2度と会いません"って言われてる気がして...』
平子『そりゃそうやろ...こんなん見たらひよ里やなくても怒んで。』
『....でも裏を返せばこの手紙が来たということは、兄はこの瀞霊廷にいる可能性があると思ったんです。』
ー彼女らしい、真っ直ぐな言葉に目を見開く平子ー
ー平子はまだ幼子のように泣いていたかつてのAを思い出し、親心に似た感情に浸っていたー
『なので私はこれからも平子隊長の元で鍛錬を積んで、猿柿副隊長を見習って兄さんに会えたら1発ぶちかまそうと思います!』
平『.......おう、そか。』
ー平子はこの時、この純粋な少女がひよ里達に染まらない様強く心から願った瞬間だったー
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平『なんや、用があるんやったらさっさと入らんか。
惣右介。』
藍『申し訳ありません。浦原三席とのお話を邪魔してはいけないかと。』
平『でなんの用や。今日までの書類やったらもう終わったで。』
藍『午後から緊急集会を開くようなのでその伝達に。』
ーAは、どこか空気が張りつめている様に感じ気づかれないように拳を握りしめるー
ーしかしそれを平子は見逃すことはなく、態とらしくため息をつき、早々と副官である藍染惣右介を追い出したー
平『すまんかったな。朝早く呼び出してもうて。』
『いえ、こちらこそお時間いただいて申し訳ありませんでした。』
平『それはAが気にせんでええ。
そや、喜納と甲牙にお礼言っとけや。あの2人、ずっとAのこと心配しとったんやで。』
『......!はい。』
ーAが隊首室の引き戸に手をかけようとすると、それを平子の手が阻止するー
『平子隊長....?』
ー疑問に感じ振り向くと吐息がかかるほどの近い距離に思わず身体が強張るAー
ーそんなAを他所に、平子は囁くように、誰にも聞かれぬように小さく細い声で、
"藍染には気をつけぇ"
そう言ってゆっくりと身体を離していったー
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作者名:とり天 | 作成日時:2023年8月15日 16時