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六『ずっと気にしてはいたんだよ。真子を慕うAが昔の真子と重なることに。
自分の手で殺めた月影さんの面影を、アイツが背負ってる気がしてな。』
『.......、』
私は、六車隊長ほど平子隊長のことを知らない。
私が知っている平子隊長は、きっと六車隊長が知る半分もないのかもしれない。だけど.....
『六車隊長は平子隊長と長い付き合いだとお話を伺ってるかぎり分かります。そんな六車隊長なら平子隊長は、影に埋もれる様なそんな弱い方ではないことは、ご存知のはずです。平子隊長は....誰よりも真っ直ぐで優しい方です。
あの方は、"太陽みたいな"存在なんです。』
六『.......』
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月「実はな、この任務を終えたら真子に隊長の座を譲ろうと思ってるんだ。だけどいろいろと不安でな。
真子は優しすぎる。あの性分は隊長向けじゃない。
でも、だからこそ、あの五番隊の隊長はあの子が相応しいと思ってるんだ。
あの子は太陽の様な存在だ。眩しくも周囲を導いてくれる。だから、あの子がこれからも太陽の様にいられるように....
真子のこと頼んだぞ六車。」
六「なんで俺なんだよ。」
月「そりゃ霊術院からの幼馴染じゃないか。助け合いってもんだろ!
...それに隊は違えどお前も私の息子みたいなもんだからな。正式には弟子か??」
六「面倒くせぇ師匠を持ったもんだ。」
月「私には最大の褒め言葉だな六車!!」
六『.....いや、逆かもな。』
『え、逆?』
六『なんでもねぇ。
アイツのお節介は元の性分だ。付き合ってやれ。』
『お節介だなんて思ってませんよ!私は平子隊長の優しさに助けてもらったんですから!』
六車隊長は、もしかしたら自分では気づいてないかもしれないけど....
六『そうかよ。』
平子隊長達の話をしている時、時々優しい表情になる。
きっと、この人もぶっきらぼうに見えて平子隊長に似て優しい人なんだろう。
六『.....なんだ?俺の顔になんかついてるか?』
『何でもありませんよ。』
六『変なとこは真子や月影さんに似んじゃねえぞ。』
六車隊長は敷居内まで送ってくださるとそのまま元の飲み屋まで引き換えされる。
後ろ姿を見送ると死覇装の中から首飾りを取り出した。
『私も、あの人みたいに強くなれたら.....いつか、』
兄さんが私に残してくれた唯一の物だった。
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作者名:とり天 | 作成日時:2023年8月15日 16時