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『致命傷を与えたって....それは平子隊長が、月影隊長を殺めたということですか....?』
六『....あぁ。』
"冗談に決まってるだろ〜真子"
"月影隊長の冗談は冗談に聞こえへんねん!"
上司と部下の関係ながらも、どこか親子のような2人の掛け合いは今でも覚えている。平子隊長が月影隊長のことを誰よりも慕っていたことも、月影隊長が誰よりも平子隊長を信頼していたことも。
六『俺はその場にいなかったから全ては知らねぇ。けど、"仕方がなかった"としか言いようがねぇんだ。』
『........、』
六『五番隊と九番隊、それぞれ分かれて行動していた時、負傷した五番隊の隊士が俺らんとこに来た。その時にはすでに8割の隊士が負傷、死亡していた。
駆けつけた時には辺り一面残骸の山。残っていたのは月影隊長の亡骸を抱える真子だけだった。』
『....六車隊長、それってもしかして。』
六『そこまで知ってんのか。まぁ、察しが良くて助かる。俺もあまり口にする気は起きねぇからな。』
入隊して暫くした時、平子隊長の斬魄刀の話になった。私は深い意味もなく
"平子隊長の卍解はどの様な能力なんですか?"
って聞いたとき、平子隊長は重々しく
"俺が卍解遣う時は俺が死ぬか、五番隊が死ぬかのどっちかや"
....そう言ってたのを覚えてる。
六『どんな事情があるにしろ同じ死神を殺めるのは重罪だ。真子は罪人として処刑か、隊長の座を引き継ぐかの2択を求められてた。
ずっと引きずってたが暫くして途端に吹っ切れた様子で"隊長になる"なんて言うから何だコイツって思ったが....Aが今日、あそこに来て一発で分かった。
Aと話してる時が1番真子は素でいられんだよ。』
私の中で、全てが繋がった気がした。
"事情があってな....もう、ここには来れそうにないねん"
あの時の平子隊長の泣きそうな辛い顔をした理由も、
"俺も腹くくらんとアカンな"
その、言葉の意味も。
六『まぁだからこそ気になってはいたんだけどな。』
『気になる、?』
六『Aと真子、よく似てんだよ。俺らから見たら。』
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作者名:とり天 | 作成日時:2023年8月15日 16時