▼ ページ2
.
"......!隊長はん目を覚ましたで"
目をゆっくりと開けると、聞き覚えのない男の人の声が聞こえてくる。その人が握ってくれているのか、手がほんのりと暖かくて安心する。
月『無理に身体を起こさなくてもいい。そのままゆっくり休みなさい。』
『......ここ、は....?』
月『天幕.....というと難しいか。私達が任務の為に待機場所として借りているところだな。』
ぼんやりとしていて言葉がまだはっきりとは理解できないけど、視界がはっきりしてきて女性の方が着ている羽衣に全身から血の気が引くのが分かった。
『護廷......十三隊の.....隊長、様.......??』
月『....あぁ。護廷十三隊五番隊隊長、月影白百合だ。だけどそこまで堅くならなくていい。
誰かの命を護るのに立場や席数は関係ないからな。』
ゆっくりと落ち着かせるかのように頭を撫でられる。さっきの人じゃなかったけど、負けないほど暖かい。
月『はぁ〜でもびっくりしたよ。真子が急に女の子を抱えて帰ってくるんだ。てっきりそういう趣『人聞きの悪いこと言うのやめてもらえます!!?』
....冗談に決まってるだろ〜真子。』
平『月影隊長の冗談は冗談に聞こえへんねん!』
金髪の男の人が怒った様子で中へと入ってくる。でも隊長の方は全く気にしてなくて、からかうように笑っていた。
月『真子それは?』
平『喜納達が外で炊き出ししとったから先にもらってきたんや。食べられへんものとかあるか?』
『大丈夫、です。』
"少し失礼するぞ"
そう言って身体を支えられて半身を起こす。申し訳なくなるも、自分の今の体力じゃ自力で支えることすら無理だと思い、素直に甘えることにした。
平『熱いからゆっくりと噛んで食べや。』
流魂街に住む私から見たら、護廷十三隊の隊長なんてエリート中のエリートで。そんな人達からいたれりつくせりなんて冷や汗が止まらない。
平『....気にせんでもええよ。人の命に順番なんてあらへんからな。』
月『真子、それ先に私が言ったぞ。』
平『.....そうかい。』
まるで親子のようなやりとりに思わず笑みが溢れるも、隊長達はなぜか困惑していた表情をしていた。
『.......ッ、』
あ......私今、泣いてるんだ。
.
368人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とり天 | 作成日時:2023年8月15日 16時