【第2章】この世を色で染め上げて【リレー小説】

政府への【蓮@雫3318】 ページ44

「変えましょう。全部。優しい世界に、戻しましょう？」

暖かな腕の中で、優しさに溺れた。

ーーーーーーーー…

「…ワイの筆は、政府に制限されとる…政府には、透明の髪も居る…政府に、行かんと…」

カタカタと、今思い出しても震える。

それを察して、灰色のあんちゃんがぎゅっと抱き締めてくれた。

「一緒に行きましょう。政府へ」

「…ッ駄目や!危険すぎる!」

「行かせてください。ナミノさん」

真っ直ぐな目に射ぬかれて、何も言えなくなった。

「ーーーー準備を、させてや」

絞り出した声は、掠れていた。

ーーーーーーーー…

「此処や。政府の扉」

目の前には大きな扉が聳え立ち、アンティークの様な気品を感じさせていた。

「…っ、ナミノです」

震える体に鞭を打ちながら、ドアを開けた。

「…いらっしゃい」

入った瞬間、白髪が映えた。

月明かりに、照らされながら。

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