【第2章】この世を色で染め上げて【リレー小説】 (ページ45)

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全面戦争【天秋】ページ45

何か、起きたらいつの間にか日本に戻ってて。

何故か疲れた様子のイロハとクロエが側にいた。

「えと…おかえり。

それから、何でそんなに…疲れてるの？」

「いやぁ…人混みすごかったねぇ…」

成る程。今は一躍有名人だもんな。

わたしは立ち上がると、ふわりと二人に微笑みかける。

「戦争、しに行こう。」

「「へ？」」

何でそんなに驚いてるんだ。

今、ナミノの魂が怯えてる。何でかは分からないけど、彼女の側に透明の女の子がいる。

「行かなきゃね。ナミノには散々世話になったから。」

「ちょ…アキさん、そんな体で…！」

「あぁ…この怪我？何ともないよ。

それより、ナミノと雨月さんの生死の問題の方が重要だろう？

もしかしたら、死ぬかもしれないのに。」

そう伝えて、わたしは筆を握る。

まだ少し怖いけれど、そんなこと言ってられない。

「ライラ。」

一閃。空へ飛び立った。

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あ、居た…！

上空からナミノと雨月さんの気配を見つけ、少し離れた場所に音もなく降り立つ。

それにしても、仰々しい門だな。

威圧感を醸し出す門を飛び越えて、中に入っていったナミノ達の気配を追う。

不法侵入だけど、致仕方ない。

こう言う、潜入とか身を隠す事には慣れてる。

生まれた街で十年間、そうやって生きてきたから。

ナミノ達が入っていった扉の側に佇み、中の様子を伺う。

筆は…なるべく使いたくない。

気配をなくして、息を殺して。

ちゃき…

構えた刀が

“血を吸いたい”と小さく鳴った。