綾瀬中学の少年 no side ページ14
「あいつがあまりにも怪しそうだったから、キーホルダーの粉をくすねといたんだ。小塚、これ、分析してみろよ。」
そう言いながら、ポケットからたたんだティッシュを取り出す黒木。
「結構面白いことになるかもしれないぜ。ああ気をつけろよ。ヤバい粉ってこともあるから。」
小塚がギョッとした顔でそれを受け取った。
「ヤバい粉って？」
「「たとえば麻薬とか。」」
鈴と黒木の声が重なる。彩が息を呑んだ。
「そんなこと！テレビや映画じゃあるまいし。だいたいあの人って、まだ中学生か高校生くらいだよ。」
「だから、たとえば、だよ。」
そう言った黒木に上杉が向き直る。
「何であいつが怪しそうなんだ？」
「あの顔色、見ただろ。普通じゃなかった。
あの不自然なくすみ方は、薬のせいだと思う。あいつは何か特殊なものを飲んでいるか、あるいは注射しているよ、絶対。」
小塚が嬉しそうに、事件かもしれないと言い家に帰った。不思議そうに小塚を見送る鈴が彩に囁く。
「小塚くん、何で嬉しそうにしているのかしら。」
先ほどの少年のことを調べようと、マンションに入っていく黒木たちを追いかけながら彩が答える。
「若武くんを元気づけようと、今、大きな事件を探しているの。」
「そう。…若武くんに何かあったのね。」
鈴はそれ以上踏み込まず、静かに黒木たちの後を追った。
黒木が腕を伸ばしドアを押す。レディーファーストだ。鈴がお礼を言いながら入った後、綾瀬中学の少年について聞いたが、どうやらここのマンションにはいないらしい。
「ありがとうございました。」
黒木がそう言って、身を翻す。すぐさま上杉と鈴が追いつき、肩を並べた。
「だから落ちてきたんじゃなくて、ビルの方から飛んできたんだって言ったろ。あいつ、誤魔化したんだ。」
彩が慌てて3人を追いかける。
「問題は、目的だな。」
ドアを開けながら彩を待つ黒木が言う。
「あそこからここまで飛んだとなると、相当な力で投げているはずだ。それほど力いっぱい投げたものを、なぜまた取り戻しに来たのか。ご丁寧にウソまでついてさ。」
上杉が笑いながら続ける。
「謎だな。謎には、犯罪が潜んでいる可能性がある。若竹の好きそうな、ハデなヤツだといいけどな。」
3人の隣で静かに考え込む鈴。やがて、黒木がロータリーの向こうのビルを指しこう言った。
「あの中のどれから投げたのか、調べてみよう。」
そう言って4人でロータリーに向かおうとした時、鈴を呼ぶ声がした。
駄菓子って美味しいよね 鈴side→←謎のキーホルダー 鈴side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
night(プロフ) - みぷくんさん» 気づいたところは直しましたが、まだあるかもしれません…。 (2022年1月5日 15時) (
レス) id: 0cc99a9693 (このIDを非表示/違反報告)
night(プロフ) - みぷくんさん» すみません！すぐ直します！ (2022年1月5日 15時) (レス) id: 0cc99a9693 (このIDを非表示/違反報告)
みぷくん - 若竹の竹ですがこっちの武です。 (2022年1月5日 13時) (レス) @page26 id: a292e0e664 (このIDを非表示/違反報告)
night(プロフ) - シーさん» コメントありがとうございます。そんな風に考えながら書いてます！ (2021年12月26日 18時) (レス) @page19 id: 0cc99a9693 (このIDを非表示/違反報告)
シー - 彩にお姉ちゃんがいるとこんな感じなのかなと思いました。 (2021年12月24日 22時) (レス) @page11 id: bdade2f463 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：night | 作成日時：2021年11月10日 20時
