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黄side〜
「……先生！！」
そんな午後のこと。
PHSが鳴って、元太くんが目を覚ましたと聞かされた。
慌てて病室へ行けば、呼吸は乱れているものの、しっかり目を開けて、ポロポロと涙を流した元太くんの姿があった。
「元太くん、分かるー？すぐ楽になるからね？ちょっと我慢だよー？」
自発呼吸が出来るようになって、機械で促されていた呼吸と合わなくて苦しくなっている元太くん。
「……し、…………ずっ、……っ！！！」
「…へっ、！」
俺の名前を知らない筈の元太くんが、確かに、“俺の名前”を呼んだ。
_______ねぇ、しず、…あいしてるよ____
しず。
それは、しめだけが呼んでいた俺のあだ名。
元太くんがそんな事知ってるわけもないから、きっとただの偶然だけれど、少しだけ手が止まってしまった。
「…っ、元太くん、大丈夫だからね、」
機械を一度止めて、彼の呼吸状態を確かめる。
人工呼吸器から酸素カニューレに変えれば、疲れたのか、また元太くんは意識を落とした。
彼の呼吸は少し弱かったけれど、自発呼吸をしている、という事実が凄く嬉しくて、なんだか泣きそうになってしまう。
｢……っしゃ、｣
涙が零れてしまう前に、パチン、と自分の頬を叩いて元太くんの病室を出た。
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うらの(プロフ) - 初めまして。作品があまりに素敵で感動しました。随所に心がまっすぐなmtさん心がきれいなmcさんの気持ちが見れてとても心が暖かくなりました。素敵な作品をありがとうございました。 (9月22日 23時) (
レス) @page50 id: 188a7a4fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗彩 | 作成日時：2022年1月21日 0時
