. ページ13
.
「海斗、…大丈夫、…泣かないで、？」
背中を撫でて落ち着かせることが出来ないもどかしさも感じながら海斗に声をかける。
「…ふっ、…はぁっ、げん…た、っ、ごめんっ、…！」
荒々しい呼吸の間に何度も何度も謝って、涙を虹色の床に落としていく。
「…ちょ、一回深呼吸して、」
海斗の涙は、嬉しい涙では無く、こうかいやの涙に見えた。
でも、何で海斗がこんなに涙を流して謝っているのかよく分からなくて。
はぁはぁと、苦しそうに顔を歪めている海斗を抱き締めてあげる事が出来ない自分が凄く悔しくて。ぐっ、と拳を握りしめれば。
「…マツクラ、？！」
パタパタと複数の足音がして来て、こちらにやってきたのは、
「…チャカさん、カイトさん、」
「マツクラ、大丈夫、ゆぅっくり息しよっか、」
チャカさんが大丈夫だよ、なんて海斗に声をかけながら、ゆっくり背中を摩っていて居るのが何だか遠くに見えて。
「…ぉい、元太、」
「…ひゅっ、」
「元太も意識して呼吸して。…呼吸が早くなってる、」
“俺らは元太に触れないんだから”
カイトさんにそう言われるまで自分の乱れる呼吸に気が付いて無くて。
「ふっ、はぁ、………はぁっ、！」
うんうん、出来てるよ、なんて俺の呼吸が整うまでゆっくりと声をかけ続けてくれて。
「はぁ、……ごめんなさい、ありがとうございます、」
「全然良いけど、お前ら何があったの？」
海斗も呼吸は落ち着いたようで、ぼぅ、とコチラを見つめていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うらの(プロフ) - 初めまして。作品があまりに素敵で感動しました。随所に心がまっすぐなmtさん心がきれいなmcさんの気持ちが見れてとても心が暖かくなりました。素敵な作品をありがとうございました。 (9月22日 23時) (
レス) @page50 id: 188a7a4fbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紗彩 | 作成日時：2022年1月21日 0時
