6月のヘアサロン 【浦島坂田船】【うらたぬき】

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雨降る六月。

ジメジメ感がとてつもなく嫌な季節。

そんな時にふと芽生えた恋。


「ごめんください。」

「いらっしゃいませ。ご予約されていた田崎Aさんでよろしかったですか。」

「はい。」


ネームプレートに『見習い』の文字がついてる、可愛いバイトさんが接客をしてくださった。

こんな垢抜けもない大学生の接客だなんて、店員さん可哀想とすら思う。

でも。
そう、今日は自分を変えに来たんだ。

客1「あぁ！！折原さん腹立つー！もうふざけないでっ！可愛くして！可愛く！」

セ「はいはい、ヘアアレンジって多彩なんですよぉ、少しいじらせてくれたって、ねぇ。いいじゃないですか。友達の結婚式でしょう。楽しまないと〜。」

向こうでは雑誌を開いて必死にヘアアレンジを求める、おそらく私と同じくらいの女性。
髪長くて綺麗だな…。

多分、常連さんだと思う。
私だったら友達の結婚式のために美容院になんて来ない。

そんなことを考えてたら、赤髪の若い男性が声をかけてきた。

？「席空いたのでどうぞ〜。今日は何しにきたん？？」

唐突。
話しかけられるのそんなに得意じゃないけどな。

「あ、えと、縮毛…です。」

？「ん？育毛？？あ、セット間違えちゃった〜うらさんに怒られちゃうね〜ちょっと待っててな〜」

う、うらさん？？(誰。)
え、なんか勘違いされた？！

「い、いくもう？！じゃ…ない…(((坂田。

必死に否定しようとすると、また違う美容師さんが大きな声で彼の名前を呼んだ。

？？「おふざけはそんくらいにしとけ。さっさと掃除をしろ。バイトより働けてねーんだけど。」

坂「あ…ごめん、うらさん、、つい。」

あ、このひとが『うらさん』。

浦「うちの坂田が申し訳ございませんでした。俺が今回担当の浦田です。よろしく。今日は全体の縮毛矯正でよろしかったですか。」




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