Second Opinion

No.24 続き、彼目線 ページ25

〆．



「いってらっしゃい！待ってるね」

「おー」

「いってきまーす！」



笑顔のAに見送られる。

背後でドアの閉まる音を聞き届け、二人、顔を見合わせた。



「今の、やばない？」

「やばい」

「新婚ちゃう？」

「にしてはキスがなかったけどな」



ニヤニヤ止まらんわ。これ。

とはいえ、今日の最大の目的はこっちや。



「イヤホン片耳」

「ほい」



二人で、あのワイヤレスイヤホンをそれぞれ耳につけ、神経を研ぎ澄ます。



『いつもニコイチな二人は、デキてるのかなぁ』

「………出た出た、Aの妄想」

「Aの脳内を俺らが支配しとるって興奮するわぁ」

「俺らの脳内では俺らとAがデキてるけどな」

「な」



俺らが引っ越し祝いにプレゼントしたのはただのぬいぐるみやない。

内部に高性能の盗聴器を仕掛けといてん。

洗濯する時に壊れんよう防水もしてな。



『りゅーくんはかっこよくて、のんちゃんはかわいいね』

「は！？なんで流星かっこよくて俺がかわええやねん！！ありえん！！俺もかっこええ言われたいわ！」

「いや、ぬいぐるみやろ。くまがかっこよくてうさぎがかわ……いや、俺やな、俺がかっこええんやな」

「腹立つ！！」

「うおっ、股間触ろうとすんなや」

「ええやん！Aの言葉にムラムラしてきてんから！」

「Aの妄想通りに外でやんの？」

「Aの妄想？」

「絶対してるやろ、俺らがスーパーやなくて路地裏とか公衆トイレ行ってーって」



シチュエーション考えて、笑ってまう。

こいつとするなんか御免やな。



「せっかくやし、今晩襲うか」

「やな。盗聴器さ、録音できるやん？……しよな？」

「そら当たり前やな」



ぬいぐるみも入れて、5人やな。

Aがどんな反応するか楽しみや。



〆．



夜。



「なんで！？望が襲うのは流星でしょ！？流星が触れたいのは望でしょ！？」



ぬいぐるみを抱き締めながら不満をぶつけてくるAは大変可愛かったので、美味しくいただきました。



〆．

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