真選組に入ったのは脱力系のバラ嬢２(現在)

裏切りの付くこの世界。 ページ18

それから私は5年は過ごした。

あ「母上ー！薬草を採って来ましたー！」

母「あら、こんなに採れたのね。A。」

Aって言う名前も、この親がつけた。

母「Aは『女の子』なのに凄いわね。」

この頃からだった。女の子を良く出されたのは。

父「お、今日は粥か。」

母「えぇ。Aが沢山薬草を採ってくれたから薬草粥に。」

父「そうか！Aは女なのに凄いなぁ！大したもんだ！」

あ「えへへ...」

女の子なのに、女なのに。

そんな言葉が毎日繰り返されていた。

そしてまた、3年後。

あ「母上、この書物にある魚は何と言う魚なのでしょうか。」

母「ふふ..最初は魚と言う一括りを覚えるので精一杯だった女の子がここ迄立派に育つなんてね。」

あ「も、もうあの時とは違います！」

母「それはね、鮎よ。ここら辺には川は無いからなかなか食べれないけど。」

あ「あ、ゆ...この書物には美味と書いてあります。本当なのですか？」

母「えぇ！塩焼きにするととても美味しいわよ！」

あ「うわあ...!!!」

父「帰ったぞー！」

あ「父上！ご苦労様でした！」

父「お、Aただいま。今日はな、お隣さんに鮎と言う魚をもらったぞ！」

あ「わあ！母上！！鮎！鮎です！」

母「まあ、立派な鮎ね！噂をすれば何とやらね！」

父「何だ？鮎の話でもしてたのか。」

あ「っと、これです！この書物に鮎が書いてありまして、気になってたのです！」

父「そういう事か！」

あ「鮎..この様な魚なのですか...」

父「『女』で魚に興味持つとは珍しいな。」

母「そうね。『女の子』なのにねぇ。」

あ「あ..はは...」

何時しか女と言われるのに嫌気が差した。

全て崩れる積木→←あん時の傷は今でも。

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