お兄ちゃんは愛をはき違えている【神威】3z

9 ページ10

｢…今日は……まだしないよ………Aはもっと勉強しなきゃだからね｣





なんとか、理性を正気に戻し、Aに話しかける






Aは安堵と、少しの悔しさを含んだ表情をしていた









｢まぁ、今日は第1ステップ……｣






そういって神威はAの首筋に顔を填めた





その瞬間小さな痛みがAを襲う





｢んっ…｣





白い肌につくられた紅い花








自分のモノ…という証









｢悪い虫がつかないようにするためだよ｣









悪い虫というのは、沖田のことだろうか、






Aは初めてのことに驚いて、よく思考が回らなかった





｢おにいちゃんの証だね｣







Aは恥ずかしいセリフも恥ずかしいセリフだと分かっていないから、すらすらと恥ずかしい言葉を口にする







その無邪気さに何度神威が理性を失いかけたかは、数えきれないほどだ







｢そうだよ…。Aは俺のモノ……｣









今日も沢山キスをして、沢山愛を囁いて、




気づけば2人は眠りに落ちていた









今日の朝はお兄ちゃんの香りと、お兄ちゃんの寝息が響き渡って、鳥のさえずりなどどうでもよくなった





お兄ちゃんの寝顔は自分の顔によく似ていてるようで、似ていないような…









本当に綺麗で触ったら崩れてしまいそうな儚さがある









｢…寝所を襲うなんて…Aもえっちになったね｣









神威の頬にそっとAが手を添えるとぱちっと、青い瞳と目が合う






寝起きでうっとりとした様子がない。






｢…おきてたの…？｣






恐る恐る聞けば、返事の代わりに軽いキスをされた







｢A…今日学校休もうよ｣









お兄ちゃんの甘え癖は治る気がしない






こうやっていつも、Aをうるうるとした大きな目でみつめては、甘えてくる









｢だめだよ…学校行かなきゃ…｣







Aはそんな神威に対して、軽くあしらうように言った








｢……オキタくんに会いに？｣









明らかに腹を立てた表情…








｢違うよ｣




Aはきっぱりと否定して、神威の怒りを買わないようにした









｢……好きって表して…俺だけって…｣









ほら、またすぐに無茶振りをする









これもお兄ちゃんの悪い癖＿＿＿＿＿

10→←8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す