お兄ちゃんは愛をはき違えている【神威】3z

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続々と生徒が教室に入ってきては、高杉くんをみてぎょっとしている




どれだけ凶悪なんだ…







お兄ちゃんもだいぶ凶暴だけど、









｢…高杉…おめェ…きてたのか｣






いつもより瞳孔の開いた土方くんが高杉くんに話しかけた





しかし、高杉くんは、あぁ、とだけ言って机に突っ伏した









そう時間がたたないうちに沖田くん、もとい、総悟が隣の席に座った









｢…おはよ……｣






眠そうに目を擦る彼はなんだか、お兄ちゃんと重なる部分がある気がした









おはようと返せば、こちらもぐったりと机に突っ伏した









｢…こいつらぁ…｣







完全にお怒りMAXの土方くんの声が聞こえる






｢……まぁ、余計な邪魔がはいらなくていいか、｣








土方くんは意味不明なことを言ってから、私の肩をとんとんとたたいた









Aが顔に疑問の表情をあらわにしていると、土方くんは手を口にあてがった






｢次、掃除場所決めだろ……一緒にしようぜ｣









土方はこそこそとAに耳打ちした






耳には、土方くんの低めの声と、かすかな吐息の音が響いた









Aは言葉を発さず、笑顔で頷いた









その約束はしっかりと実行され、掃除場所が決まったが、何故かメンバーは班のメンバー









問題が怒る気しかしない









私たちの掃除場所は会議室







とくに、やることもない楽な穴場スポット









案の定、私たちの班は問題を起こした






総悟と高杉くんが喧嘩をはじめ、そこに割って入った土方くんまで喧嘩に参加し始めた









私は勝手に怒って帰った3人分、みっちり罰を受けるはめになった









｢銀先生、これ、できました｣




2人だけで、教室の隅に座りプリントをホチキスでとめる簡単な作業をする







｢ん…あ、これ食べる？｣







銀八がポケットから取り出したのは、キャンディー






もうかれこれずっとホチキス作業している私を見兼ねてのことか。









可哀想と思うならはやく帰してくれと、思ったが、銀先生との会話は楽しい









｢お前は…そのぉ、あれだよ、好きなやつとかいんのか｣








なんとも、中学生のような会話の題材を持ち込んできた銀先生








好きな人…





今まで考えたことのないモノ









好きな人なんて、









お兄ちゃん以外にいるわけないのに＿＿＿＿＿＿

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