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君と話をしに来たんだと野坂さんに言われても、全く心当たりがなく首をひねる。まあ、丁度いいか。



「私も、野坂さんに聞きたいことがあって」



顔を不安でいっぱいにして纒向中まできた西蔭さんを、私は忘れない。


彼ははっきりと言わなかったが、原因は野坂さんに違いないと確信している。

後ろに気配があり、エスカバ先輩が来たのだと気がつく。

野坂さんが、先輩を見て会釈する。エスカバ先輩もそれに答える。



「僕には時間がない。はっきり言おう、話とは西蔭のことだ」



君もそうだよね、そうなんだろう、と、目線で問いかけられる。見つめ返し、頷いた。



「昨日、西蔭が君のところに来ただろう」

「来ましたね」

「君は突然の来訪に、そして彼の様子にも、非常に驚いた。けれど、西蔭に向き合い、そして寄り添ってくれた」

「そりゃあ、あんな顔をした西蔭さんを、放っておける訳がありませんって」



やけに具体的に知っているな、と内心の不審感を表に出さないようにしながら答える。


野坂さんが言いたいことが本当にこんなことなのか、私に何を伝えようとしているのかが見えない。



「そうだよね。今やAさんにとって、西蔭はおろそかにはできない存在だ。とても、他人とは言い難い。君たちは一歩ずつ、お互いに踏み込んで行った。会って話した、お互いの名前を知った、隣に座ってラーメンを食べた、ほかには」

「ごめんなさい、野坂さんがいったい何を言おうとしているのか」



いささか強い口調で野坂さんの話を遮る。


野坂さんに、続きを言わせてはいけないような気がした。指の先が冷たい。だって、


「野坂さん、なんでラーメン食べたとか、知っているんですか」



この前は、西蔭さんとご飯を食べに行ったことさえ知らないような顔をしていたくせに。

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マトリックス(プロフ) - ちかさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです!(^o^) (2020年7月28日 16時) (レス) id: 42c58f3b28 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 初コメ失礼します!一気に読んでしまいました……すごく好きです。もう本当に好きです!!!!(語彙力) (2020年7月27日 21時) (レス) id: f8911c1a4d (このIDを非表示/違反報告)
神田・スカーレット(プロフ) - なんだろう……この言い表せない気持ち……これからも皆でラーメン食べに行ったりしてほしいですねぇ〜 (2020年3月6日 11時) (レス) id: 89620096b1 (このIDを非表示/違反報告)
マトリックス(プロフ) - Folmoさん» 最後まで読んで下さってありがとうございました!途中更新しない期間もあったのに…と思うと本当に感謝の気持ちでいっぱいです!コメントも嬉しかったです!本当にありがとうございます!!! (2020年2月27日 22時) (レス) id: 42c58f3b28 (このIDを非表示/違反報告)
Folmo - 完結…!最後かなりドキドキしながら読んでました。スーパーハピエン…幸せ…投稿お疲れ様でした。本当にいいもの読ませていただきました…!! (2020年2月27日 4時) (レス) id: eaab8f82b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マトリックス | 作成日時:2020年2月23日 0時

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