8人目のバイト！？① (ページ16)

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コンコン…

「どうぞー」

「失礼します」

面接の部屋には、長机と、それに向かい合うように少し離れたところに椅子が１つ。
そして長机の向こう側には、合計で9人の人が座ってた。

1番真ん中に、もう70歳は軽く超えてるであろうおじいさん。そしてその左隣りに50歳くらいの貴婦人おばさま。おじいさんの右隣り、おばさまの左隣りには、スーツを着た40歳くらいの男の人が座っている。
ほかの5人は、普段着のような格好で、みんな30歳くらい。

…この5人、どっかで見たことあるような…

「その椅子にお座りください。」

色々考えてたら、ボーッとしてしまっていて、慌てて椅子に座った。

それからは、おじいさんの隣のスーツ男(笑)に、あらかじめ決められていたと思われる質問をいくつかされた。

「歌とダンスの審査はどうでしたか」
「どちらも人生初の経験だったので、すごく緊張しました」

「大学生だそうですが、勉強との両立はどうお考えですか」
「大学では取りたい資格があるので、勉強も手を抜かずに頑張りたいと思っています」

「採用されたら何を頑張りたいですか」
「早く仕事を覚えて、安心して仕事を任せられるような人になれるよう、努力します」

とか、その他諸々。
淡々と面接は進んでいく。

でも、ここまでキョドッたりしてないし、面接としては結構いい感じかも？

とか思ってたら、

「では、私からの質問は以上です。他に何かある方、いらっしゃいますか？」

スーツ男の質問が終わったみたい。
これで終わりかーと思って、肩の力が抜けたとき、私の目の前に座っていたおじいさんが、小さく手を挙げた。

「しゃっ、社長！どうぞ。」

スーツ男も、質問があると思わなかったのか、少し焦りが見えた。

…って、ちょっと待てよ？？

今、社長って言わなかった？？

「ってことは…ジャニー喜多川！？」

さすがの私でも、ジャニーズ事務所の社長の名前くらい知っている。
それより問題なのが、本人を(しかも社長)目の前にして、呼び捨て&今まで気づいてなかったことを暴露してしまったこと。

慌てて口を抑えたけど、面接室の空気が一瞬凍ったのがわかった。

「っごめんなさい！
私、ジャニーズにあんま詳しくなくて、社長さんだなんて思いもしなかったので…」

「あはははは！
そんなの気にしなくていいんだよ！AAさん。
僕は、ジャニーズ事務所の社長やってる、ジャニー喜多川だよ。

ところで、Youさー、

…何か勘違いしてない？笑」