Unanswered morning glowy(Daisuke.S) (ページ7)

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Unanswered morning glowy(Daisuke.S)７ページ7

その日の夜、すっかり空が黒く染まる頃。
こんこんと医務室のドアがノックされて
鍵閉めてたっけ、とAが振り向くと
ピンク頭が顔を覗かせた。
仕事が帰りなのか、ニット帽に眼鏡という出で立ちの佐久間が
片手にビニール袋を提げて、きょろきょろと医務室の中を見回している。

「誰もいないから、大丈夫ですよ。」

どうぞ、とAが手で示すと
佐久間は、にっと笑って失礼します、と中に入った。
ぱたん、とドアが閉じる音がその後ろでした。

「どうされました？」

一見、特に怪我や顔色の悪さは見えないが
Aが佐久間の上から下まで目を走らせていると
佐久間が慌てて首を振った。

「あ、ううん、元気元気！めっちゃ元気！
　まだ、部屋の電気点いてたからつい。今日は遅番？」
「そう。遅くまでレッスンの予約入ってる人も居るみたいだし
　ついでに残務を片付けちゃおうかな、と思いまして。」

付き合っている頃は、お互いの仕事の時間をシェアしていたから
シフトを確認されることに新鮮さを感じながら
Aは頷いて、改めて佐久間の姿を確認する。

「佐久間くんは、お仕事終わって帰るところ？」
「うん。他の仕事して、打ち合わせ終わって、今日はもう終わり。」
「それはそれはおつかれさまでした。ゆっくり休んでくださいね。」

良かった、と笑うAのデスクの上
佐久間はお弁当の包みを見つけて、ちらとAを伺う。

「Aさん、今から晩御飯？」
「晩御飯って程、立派なものじゃないけど。」

Aが包みを開いて見せたのは、小さめのおにぎりが２個とスープジャー。
晩御飯というよりは、簡単な夜食に近いようなメニューで
スープジャーの中身に至っては、昨晩の残りのミネストローネというお手軽さだ。

それを見た佐久間は、何を思ったか
手に持っていたビニール袋をAのデスクに置くと
近くの椅子を引っ張ってきて座った。