Unanswered morning glowy(Daisuke.S)6 ページ6
デスクに頬杖をついて
窓の外を眺めながら、どうしたものかと思案するも
特に解決策も浮かばない。
もう連絡してこないでと言えれば良いのかもしれない。
実際、そう告げようとしたこともあるが
実行に移せなかったのは、間違いなく
自分がまだ佐久間のことを好きだからだ。
あの日も、結局、「好きじゃない」という言葉を発することはできなかったように。
Aは、特にこの気持ちを否定するつもりはない。
否定できないからこそ、あの日、
本来であれば関係を終わらせるつもりだったあの日に
2度と戻せないほど関係を壊したくて
あんな言葉を佐久間に一方的に投げつけたのだ。
いっそ、本当にもう好きでなくなったなら
今もなおこんなに頭を悩ますこともないというのに
佐久間からのメッセージが届く度
佐久間の笑顔を目の当たりにする度に
飽きることなく、この胸がときめいて
好きだなと、純粋に思う。
でもそれは、今自分が佐久間の恋人ではないから
ただ単純に、好きという気持ちだけに浸れているに過ぎず
佐久間が作ってくれる無責任で、温かいぬるま湯のような関係に
甘えていることを知りながら、この時間が甘過ぎて抜け出せない。
片思いしている時が1番幸せ、といつだったか聞いた言葉が蘇る。
「私、本当とことん最低だなあ…。」
ぽろりと言葉が溢れた。
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作者名:Y.Harumizu | 作者ホームページ:http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時:2023年3月25日 17時