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大広間の前を通り過ぎ、階段の下まで来たところで3人は立ち止まる。
「校長室はどこだ?」
「私も知らないわ……」
道の中央で途方に暮れていると、廊下の奥からマクゴナガルが歩いて来た。
「そこの3人、こんなところで何をしているのですか。」
「マクゴナガル先生!」
タイミングが良いのか悪いのか。3人は顔を見合わせ黙り込んだ。僅かな沈黙の後、ハーマイオニーは意を決したように顔を上げ口を開く。
「その……ダンブルドア先生にお目にかかりたいんです。」
「ダンブルドア先生に?ダンブルドア先生は10分前にお出かけになりました。魔法省から緊急のフクロウ便が来て、すぐにロンドンへ……」
マクゴナガルの言葉にハリーがこれでもかというほどに目を見開いた。
「いらっしゃらない!?そんな……!でも重要なことなんです!賢者の石のことなんです!!」
「どうしてそれを…………貴方達がどうやってあの石のことを知ったのかはわかりませんが、守りは万全です。さぁ、もう行きなさい。くれぐれも、石について言いふらしたりしないように。」
マクゴナガルはそう言うと足早にその場から立ち去った。しばらく3人はその背中を呆然と見つめていたが、マクゴナガルの姿が完全に見えなくなった途端ハリーが口を開いた。
「……今夜だ。必要なことは全てわかったし、ダンブルドアもいない。スネイプは今夜石を盗むに違いない。」
「どうすればいいんだよ……」
絶望が滲むロンの呟きに、ハリーが即答する。
「止めなきゃ。スネイプより先に石を見つけるんだ。」
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作者名:透 | 作成日時:2021年9月26日 21時