敦芥『企み』 ページ41
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学パロです
♀♂
__その日僕は出逢った。この学校では有名なあの“保健室の貴公子”に____。
入学して一ヶ月が経つ。それなりに勉強して希望の高校に入った僕だけど、なんだか想像と違う学校生活だ。
クラスメートの個性が強すぎるし、女子は変な噂ばかりしているし(でもこの噂を知らなければと思うと、僕は鳥肌がたつ)
その噂というのも保健室の貴公子。なんだその厨二感溢れる名前は、と内心悪態を吐いたが、如何もそれは過言ではないらしい。
入学式にすら、殆ど姿を見せなかった出席番号一番の生徒。保健室に籠ってるそうだが、皆保健室にはそれは怖い怖い保健医がいるため近づかない。
そんな幽霊じゃないかと称される保健室の貴公子と、僕は今、バッチリ目が合った。
「え…」
噂は本当だったのだ。今日は運動会で、皆熱が入っている故にあんなに目立つ彼にすら気づかない。
白い肌、黒い髪、細い手、保健室の窓から見るその姿を見て、僕は恋に堕ちたのだ。
今僕のクラスは応援待機。少し抜けても気づかないだろう。
そっとその場から離れて保健室の窓へと向かう。丁度グラウンドに面した保健室の窓は、意外に大きかった。
「ねえっ」
近くに来てみて、声をかけてみた。保健室の貴公子は大きな目を僕のほうに向けた。やはり、美しい。
「あのさ」
「…芥川。芥川、龍之介」
「あ、芥川っ」
綺麗な唇から漏れる声に思わず理性を持っていかれそうになる。芥川、そう名乗ってくれたことがとても嬉しかった。
「僕、中島あ」
「敦」
「そ、そう!知ってたの?」
「見ていた、故に…」
「みみみみみ見てたっ!?」
慣れなくて辿々しい会話が続く。芥川から見た僕なんて体力バカかな、なんて思ったけどそもそも僕を知っていたことに驚いた。
「…芥川はずっと保健室にいるの?」
何か話を、と必死になった僕の口から出たのはそんな言葉だった。
芥川は窓の縁に頬杖をつき「あぁ」と少し寂しそうに言った。
「ならさ、芥川」
___僕が毎日来るよ。…お前と友達になりたいんだ。
…そう、まずは友達から。
♀♂
実は計算高い敦くんと保健室の貴公子な芥川さんの出会い編。
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羅生門 - 体が痛む。 (2021年4月5日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
羅生門 - karadagaitam (2021年4月5日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
羅生門 - karadagaitam (2021年4月5日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
kyo - 誰が見ても認める美貌の持ち主の芥川さんは、驚くほど食事の量が少ないので食べ残しは私が食べます。(きりっ) (2017年8月25日 10時) (レス) id: b8f51b6520 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - マジカルワールドさん» 本当に申し訳ないです…!ありがとうございます! (2017年6月10日 23時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なかゞわとまと | 作成日時:2017年4月22日 1時