検索窓
今日:4 hit、昨日:9 hit、合計:47,557 hit

敦芥『企み』 ページ41



 学パロです

♀♂

 __その日僕は出逢った。この学校では有名なあの“保健室の貴公子”に____。



 入学して一ヶ月が経つ。それなりに勉強して希望の高校に入った僕だけど、なんだか想像と違う学校生活だ。

 クラスメートの個性が強すぎるし、女子は変な噂ばかりしているし(でもこの噂を知らなければと思うと、僕は鳥肌がたつ)


 その噂というのも保健室の貴公子。なんだその厨二感溢れる名前は、と内心悪態を吐いたが、如何もそれは過言ではないらしい。


 入学式にすら、殆ど姿を見せなかった出席番号一番の生徒。保健室に籠ってるそうだが、皆保健室にはそれは怖い怖い保健医がいるため近づかない。

 そんな幽霊じゃないかと称される保健室の貴公子と、僕は今、バッチリ目が合った。



「え…」



 噂は本当だったのだ。今日は運動会で、皆熱が入っている故にあんなに目立つ彼にすら気づかない。

 白い肌、黒い髪、細い手、保健室の窓から見るその姿を見て、僕は恋に堕ちたのだ。


 今僕のクラスは応援待機。少し抜けても気づかないだろう。
 そっとその場から離れて保健室の窓へと向かう。丁度グラウンドに面した保健室の窓は、意外に大きかった。



「ねえっ」



 近くに来てみて、声をかけてみた。保健室の貴公子は大きな目を僕のほうに向けた。やはり、美しい。



「あのさ」

「…芥川。芥川、龍之介」

「あ、芥川っ」



 綺麗な唇から漏れる声に思わず理性を持っていかれそうになる。芥川、そう名乗ってくれたことがとても嬉しかった。



「僕、中島あ」

「敦」

「そ、そう!知ってたの?」

「見ていた、故に…」

「みみみみみ見てたっ!?」



 慣れなくて辿々しい会話が続く。芥川から見た僕なんて体力バカかな、なんて思ったけどそもそも僕を知っていたことに驚いた。



「…芥川はずっと保健室にいるの?」



 何か話を、と必死になった僕の口から出たのはそんな言葉だった。

 芥川は窓の縁に頬杖をつき「あぁ」と少し寂しそうに言った。



「ならさ、芥川」



___僕が毎日来るよ。…お前と友達になりたいんだ。


 …そう、まずは友達から。

♀♂

 実は計算高い敦くんと保健室の貴公子な芥川さんの出会い編。

芥川信者決定戦→←敦芥『パジャマ』



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
63人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

羅生門 - 体が痛む。 (2021年4月5日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
羅生門 - karadagaitam (2021年4月5日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
羅生門 - karadagaitam (2021年4月5日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
kyo - 誰が見ても認める美貌の持ち主の芥川さんは、驚くほど食事の量が少ないので食べ残しは私が食べます。(きりっ) (2017年8月25日 10時) (レス) id: b8f51b6520 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - マジカルワールドさん» 本当に申し訳ないです…!ありがとうございます! (2017年6月10日 23時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なかゞわとまと | 作成日時:2017年4月22日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。