くのたまは忍びたい

第10話 ページ11

ざわざわざわざわ



至る所から私を憐れむかのような声が聞こえる
同情するなら代わってくれ!!!!!!!!



「あーあ、負けが1試合確定したな〜」



雷「Aさん、大丈夫？」



『ｱｯﾊｲ…ﾀﾞｲｼﾞｮｳﾌﾞﾃﾞｽ』



「これは重症なのだ…」
「なんと言うかあの…ど、どんまい(ポンッ)」
「俺達が多めに勝って少しでも楽にしてくるからね…(できるかわかんないけど)」




優しい言葉が逆に辛い。鉢屋くん、君は私の傷を抉るのが上手いね！(白目)



6年生サイドでは善法寺先輩が七松先輩に「怪我させたらダメだからね！特に顔！」と必死に訴えて下さってるのが聞こえた。善法寺先輩、注意するなら試合自体を止めて欲しいです。




先生達や後輩達が心配そうに私を見ている中授業は始まってしまった…




「ふぉっふぉっふぉっ！面白くなってきたぞ！」
「ヘム〜？」
「なに、ヘムヘムよ。直にわかる。何故、臆病なあの子が5年間残り続けることが出来たかを…」





皆が心配そうに見つめる中、学園長先生と彼女をよく知る山本シナ先生だけがニコニコと状況を眺めていた。




「うふふ、Aちゃん。くのたまを代表して女の事を舐めきってる忍たま達に一泡吹かせてやりなさい」




山本シナ先生は妖艶に微笑んだ……




そしてくのたまの後輩達は



「やった！A先輩の戦い！久しぶりに見れるわ！！」


「実況頑張らなくちゃ！」


「きっと皆びっくりしましゅわ〜」


己のただ1人の自慢の先輩の強さがやっと公になる事を大層喜んでいた。





『(あああどうしようどうしよう…どうやって降参しよう…でも負けたら5年生になんて思われるのかあばばば…)』






しかし、本人はビビり倒していた……

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