ぷろろーぐ ページ1
「やっば、ここ、取り壊されちゃうん。お婆ちゃんやったしなぁ。新しいとこ探さないとな」
prrrr
家に届いた一通の手紙を読んでいると携帯から電話が鳴ってきた。
来た手紙を持っていることも忘れ、その紙を握りしめながら電話に出た。
もしかしたらお婆ちゃんの大家さんかもしてないと思って。
携帯のスマホを覗き込むとディスプレイには『坂にぃ』の三文字。
何だ、大家さんじゃないか。
少し落胆したが、坂にぃの家に居候させて貰おうかと思い携帯を持つ。
『遅いで〜!』
坂にぃからの電話に出ると耳元で叫ばれた。耳が死ぬかと思った。
俺は万能じゃないんだぞ。おい。
いやまぁでも坂にぃの声は別にそこら辺の道を闊歩している人よりかは声が良いからあの人達に叫ばれるよりましだから良いのだけれど。
なんだろうか。
またコラボしろだとかなんとか言うのだろうか。
お前は俺のおかんなんか。
「あぁ、ごめん。俺の家がさ、ほら、ちっちゃいアパートのとこ。でね、そこ壊されるらしいんよ。やから新しい家見つけるまで居候させて?」
『唐突やなぁ。ええ家あるで。全員俺の友達でシェアハウスしとるん。そこにこぉへん?』
その言葉に俺は目を輝かせた。
行くだろ。え、歌い手さんでしょ?うらたぬきさんいるかな。
でもなぜ急に?
『あのなぁ、あんま言いたないんやけど同居人に女子がおるんやけど、ご飯が美味しないんよ。あとそいつ、俺らにデレデレで嫌やからきてくれへん?』
目の前に苦虫を噛み潰したような顔をして言う坂にぃの顔が浮かぶ。
流石にご飯が美味しくないというのは可哀想だし、俺も家を探している。
それならば自分の利益もあると見て坂にぃにそこに住むし、これから行く。と伝え、引っ越しの準備……機材と服を持ち、教えてもらった住所に行く。
まさかシェアハウスに見るも恐ろしいぶりっ子がいるなんて知らずに。
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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2022年12月26日 13時) (レス) @page50 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
BLLike(プロフ) - わぁー二人とも、有難うございます! (2020年6月23日 16時) (レス) id: fd3e74f050 (このIDを非表示/違反報告)
凛@昆布教(プロフ) - コメ失礼します!にじゅうよんわめ、俺が話しかけるとふわふわした〜ってところ、二回ありますよ!更新頑張って下さい! (2020年6月21日 18時) (レス) id: 0b140bf78a (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - コメント失礼します!内容はとても素敵で面白いのですが文が詰め詰めで読みづらいです...よかったらもう少し余白が欲しいです!ご検討お願いします! (2020年6月10日 18時) (レス) id: 5c5c40f859 (このIDを非表示/違反報告)
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