『恋』と『友情』どっちを大切にすればいいの…？Ⅱ (ページ32)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:7,285 hit

63、春なりの頑張りページ32

～春side～

雪「…あのさ、ハル。一つ聞いてもいい？」

春「？」

雪「ハルは、今でも姫乃ちゃんのことを好きなの？」

春「…そ、れは、、、」

俺は戸惑った。

俺なんかが好きなんて言っていいのか？

分からない。

雪「ねえ、ハル。

　うちはさ、ハルの元カレなんだよ？

　ハルが言わなくても気持ちなんてバレバレなんだからね？」

春「なら、なんで聞いたんだ？」

雪は、フェンスへ向かって歩き出した。
まるで、何かに引っ張られるように。

雪「…うちは、今でもハルのことが好き。大好きだよ。」

春「っ！？」

雪「今だって、また付き合えないかなって期待してる。

　正直、姫乃っていう子が羨ましい。
　お互い言いたいことを言えて、ケンカできて、
　それでも、笑えるんでしょ？

　ホント、羨ましすぎだっての！

　うちらは、お互いどこか遠慮してたでしょ？
　それをしないなんて、友達じゃなければ、
　好きな人なんだよ。

ねえ、ハル。

自分に素直になってよ。」

俺を見ている雪はすごくまぶしかった。

それはきっと、過去に縋らず前を向いているから。

それなら、俺がやることは、ただ一つ。

春「俺、美唯とちゃんと話す。

　黒い感情に流されず、俺の気持ちを全部話す。」