【東京喰種】君を守りたい。「金木研」 (ページ40)

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悲劇37話ページ40

金木side

Aの手…。冷たかったな…。

家に帰ってからは、各自自分の部屋で落ち着くことにした。

「兄弟、か…。」

ｷﾞｭﾙｳｳｳ…＿＿＿。

「ッッ…！！！」

やっぱり、別のことを考えて、落ち着こうとしても。

空腹のせいで落ち着いてはいられなかった。

「にく…、肉、肉、肉、肉、肉、肉！！！！！」

僕は、とてつもない空腹に襲われまるで呪いのように

その言葉を言い続けた。

ふとよぎるあの言葉が、

＿＿「アンタは喰種でも、人間でもない…。」

＿＿「半端もののアンタに居場所なんてないんだよ。」

僕を一層弱くしていた。

「あ、あ”あ”、肉、肉肉肉肉！！！！」

＿「いいじゃない、半端ものでも…」＿

どこからか声がした。

・

＿「人間でもない、喰種でもない」＿

僕の好きだった女性のリゼさんだった。

・

＿「貴方は、貴方よ…？」＿

＿「半端ものを、楽しみなさい？」＿

彼女は続けて、

＿「美味しいお肉がお待ちかねよ？」＿

彼女は僕の背中から抱きついてきた。

・

＿「もう…、とろけるほどおいしんだから…」＿

後ろを振り向けば、紅く黑く染まっている眼が…ッ。

＿「一度食べたらやめられないわよ？…」＿

やめてくれ…。

そんな風に言われたら…。

＿「ステーキなんて、ねじゃないんだから…」＿

「うわああああああああああああああああああッ！！！！！」

抑えられなくなる。

僕は袋堤の目の前に行った。

＿「さぁ、一息に、極上のレアよ。」＿

空腹の限界で、袋堤に手をかけたその時。

ｐrrrrrrrrrrr、

スマホの着信音で我に戻った。

食べたくても食べられない、

その苛立ち。

僕はその袋堤を投げやったのだ。

・

＿＿＿メール着信＿＿＿

…「題名＝孤独死する。byヒデ」