綾野さんち。01

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同居ルール

・時間が合う時は一緒にご飯を食べる
　※作らなかった方が片付ける！

・人を呼ぶ時は事前連絡

・お互いのプライベートに干渉しない

・揉めたらコインで決める



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2012年 冬


剛「あ、次の春からも連ドラだからちょっと忙しくなるかも。」


「この前終わったばっかなのに忙しいね。了解、私も打ち合わせ増えそうだから顔合わせるの減りそうだね。」


剛「でも時間が合う時は？」


「いっしょにごはん、ね。」


満足げに笑うと剛くんは早足に家を出た。

ここ最近剛くんは急に忙しくなってきたみたいでドラマに映画、引っ張りだこだ。

私は、両親の葬儀から半年、バタバタとしていたせいでほぼ通っていなかった学校にはさらに通わなくなった。
(元々単位制の高校だから通わなくても卒業は問題なさそうだけど…)

次の春には大学生。まあもう進路は決まってるんだけど。



その前に…、


「あ、やば、もう来ちゃった。」


龍「先生〜？入りますよー。」


「先生ってやめてってば…。」


マネージャーの松田龍平。私のことを先生と呼ぶ時は決まって何かある時だ。


「今度はなにー？」


龍「『eye』の映画化！決まりましたよ！」


「ほんと！？」


二作連続映画化は、嬉しい。剛くんにLINE送ろっと…！



龍「今書いてるのはどう？」


「んー、もうちょっと詰めたい。映画の打ち合わせとかっていつから？」


龍「先方の希望でできるだけ早めに始めたいって。」


「了解。」


大学受験もあるし、次のおはなしも進めたいし…。んー、時間が足りない！


龍「ま、大学のこととか諸々もあるし、上手いことやるよ。任せて。」


普段はなんとも適当な男だが、こういう時は本当に頼りになる。敏腕マネージャーとはこの人のことを言うのだと思う。


「さっすが龍平さん。頼りになる。あ、コーヒー飲む？」


龍「うんもらうー。あれ、今日は剛さんは？」


最初は剛くんを警戒しまくっていた龍平さんだが、今では名前で呼び合うくらい仲がいい。二人の共通点は酒好き。大人ってよくわかんない。

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