No.33 ページ33
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翌朝、右腕のひどい痛みで起きた私は、薬を飲んで落ち着くまで数時間かかった。
その間に、グレイシアさんはエリシアちゃんを友人の家に預けに行った。
エリシアちゃんは、家を出る前に心配そうに私に声をかけてくれたが、痛みで意識が朦朧としていたため、返事をできたのか定かではなかった。
それから、ベッドの上で痛みにうなされながらも、薬によって痛みが治まってきた私は、昨日買ってもらった新しい服に着替えた。
腕が通しやすいように前がボタンになっている白の襟付きのブラウスに、膝下ほどの長さの黒のフレアスカートに身を包み、グレイシアさんが選んでくれた靴を履いた。
そうして準備が整った私たちは、マスタングさんがいる中央司令部というところに向かった。
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---アメストリス軍 中央司令部---
中央司令部の建物内に入ると、グレイシアさんは受付というところに行った。
グレイシア「あの、私、殉職したマース・ヒューズ准将の妻のグレイシア・ヒューズです。ロイ・マスタング大佐にお会いしたいのですけど。」
「ロイ・マスタング大佐ですね。ただいま確認しますので、少々お待ちください。」
受付の女性は、電話の受話器を手に取ると、どこかに繋げているようだった。
しばらくすると女性は電話を切り、こちらに顔を向けた。
「お待たせしました。マスタング大佐に確認がとれましたので、どうぞ三階にお上がりください。三階に上がって、左に進んでいただくと、マスタング大佐のネームプレートがかかった部屋がありますので、そこに大佐がいらっしゃいます。」
グレイシア「わかりました。ありがとうございます。」
グレイシアさんと私は女性に頭を下げると、階段へと向かった。
ロイ・マスタング。
グレイシアさんの話で、悪い人ではないとわかったが、印象は決して良いものではない。
それに、彼は私のことを知らない。彼もまた私に良い印象は持っていないだろう。
A「会った瞬間、殺されたらどうしよう…」
階段を上りながら、私がそう言葉を漏らすと、グレイシアさんはふふっと笑った。
グレイシア「やだ、Aちゃんったら。いくらマスタングさんでもそんなことしないわよ。」
グレイシアさんはそう言うが、私はあの人のことを完全に信用してるわけではない。
そんなことをしない可能性が100パーセントではない限り、私の不安が消えることはないのだった。
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るるるs - 鋼の錬金術師AFじゃなくてFAですよ。 (2022年7月27日 0時) (レス) id: 7f6b75982b (このIDを非表示/違反報告)
篠懸 菖蒲(プロフ) - ポケットの案内人さん» ポケットの案内人さん コメントありがとうございます!そう言っていただけて私もすごく嬉しいです(><)更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年8月16日 8時) (レス) id: 21fdeed85c (このIDを非表示/違反報告)
ポケットの案内人(プロフ) - 私、ハガレン大好きなんですよ!夢小説書けないのに夢主勝手に想像したり、そしたらこの小説があったのでメッチャ嬉しいです!頑張ってください! (2020年8月15日 23時) (レス) id: 4ccf657d3b (このIDを非表示/違反報告)
篠懸 菖蒲(プロフ) - みーこさん» みーこさん ありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります(><) (2020年6月23日 10時) (レス) id: 21fdeed85c (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってくださいね! (2020年6月23日 10時) (レス) id: 19c92306d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菖蒲-アヤメ- | 作成日時:2020年6月12日 23時