【ぬらりひょんの孫】〜闇に唄えば〜パート4

百三十七話 ページ20

二つの刃は、バチバチと火花を散らす


夜リ「はぁ！！」


A「効かぬ！！」


Aは、一旦距離を取ると


A「我が命に従い…炎よ龍なり刃向かうやからを噛み殺せ！！」


ゴォオオオ！！


一瞬にして龍となった炎がリクオを襲う


だが、噛みつかれたリクオはゆらりと消える


A「チッ！！」


ガゴォオオン！！


夜リ「『明鏡止水・斬』！！」


攻めの畏に変幻したリクオが炎の刃を振りかざす


A「なぜ、助けようとする」


刃を交えながら狂月が問う


A「貴方にとって恋人であっても、ただそれだけの事でしょ？」


夜リ「……」


A「しかも、貴方の敵だった安倍晴明の式神よ？殺さないの？」


夜リ「っつ！！」


ガギィイイイン！！


さらに金属音が響き合う


夜リ「……決めたんだよ…」


ボソリとリクオが言う


夜リ「Aは…誰よりも、目の前で倒れて行く俺や氷麗達の姿を怖がってた！！…Aが沙羅に攫われる前…怯えてたんだ！！」




・




・






・







・






・








『……リクっ……オ…わ…ったし…怖い………


……目の前でみんなが傷つくのが………


……怖い…』




・




・




・






浮かぶのは、愛しき人の涙



夜リ「だから……守ると決めたんだ！！側に居るって決めたんだよ！！」



ガギィイイイン！！



思いの篭った短刀がA目掛けて進む

百三十八話→←百三十六話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す