【薄桜鬼】孤独を好む女鬼

男の子 ページ13

考え事をしながら団子を食べていると、隣から視線を感じた。



長い茶髪を揺らしながら、大きなつり目で見つめてくる。




「あの…なにか？」



「あぁ、いや。この辺じゃあ見ない顔だと思ってさ！

おねーさん何処出身？？」




「江戸のほうだよ

京へは用事で来てるの」




「へぇ！じゃあ、出身は俺と同じだな！」



無邪気にそう話す彼は眩しくて、何処か遠い。

絶望を知らない笑顔。

美しいが、自分には出来ない顔。



そんな気持ちを悟られないよう、質問を投げかけた。




「あなたはどうして京に？」



今まで明るかった彼の顔が暗くなった。

そして、いぶかしげな顔をする。




「おねーさん、俺のことどっかで見たことない？」



そう言う彼の顔をまじまじと見てみるが、心当たりはない。




「何処かで会った…とか？」




「あー…いや、しらねぇんならいいんだ！」



「そう？」





先ほどの笑顔をもう一度浮かべた彼に敵意はない。


ならばさっきのは一体…？






考え事を蹴散らすかのように、浅葱色が目についた。


途端に現実に引き戻される感覚に襲われた。






ふと、隣からつぶやきが聞こえた。









、









、









「あー…今日の巡察は総司だったか」

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