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その七 ページ39

「兄貴!オイラの声のする所が百足の頭だ!!」

どろろは体を張って百足の頭の位置を教える。しかし当然、百足は暴れ、どろろは気絶してしまった。


「おー!おー!おー!」

叫ぶ百鬼丸。百足は襲い掛かる。

「兄さん!危ない!」
「!?」

ドガアァァァン!!

「百鬼丸兄さん大丈夫!?」

沙世が体当たりして百鬼丸を助けたのだ。百鬼丸は頷くとまた「お―!」と叫ぶ。

「(もしかしてどろろを)どろろ!起きてー!!」
沙世もどろろを呼ぶ。

「おー!おー!おー!」

百鬼丸はもう一本の刀を抜き叫ぶ。すると百足が来た。刀で受け止める。

「どろろいた!」

沙世は急いでどろろの下へ行く。

「どろろ!起きて!」
「おー!おー!おー!」

すると沙世と百鬼丸の声のおかけでどろろが起きてくれた。

「兄貴、ここだ!オイラの横がコイツの目だ!」

「ふん…、うぁぁぁぁああああああああ!」

それを聞いた百鬼丸は勢いよく百足の目を斬りつける。その瞬間、いつの間にか黒い雲の外へ来た。そのおかげで百足はどんどん消えていく。今度こそ終わりだ。

ガアアアァァァ

「尻尾にも頭があんのか!?」

すると百鬼丸は尻尾に入り込む。
「あ!?」
「大丈夫!違うやり方で倒すんだよ!私たちはこっちで…」
刀でどろろの縄を切った沙世は急いでどろろを背負う。
(水の呼吸・捌ノ型 『滝壷 』)

ドオオォン!!

「わあ!?」

頭を倒す沙世。一方、百鬼丸は体内から斬りつけていく。こうして百足は完全に倒された。

「やったあああああああ!」

喜ぶどろろ。百鬼丸達は百足の残骸と共に湖に落ちた。

「大丈夫かぁ!」

さるが慌ててきた。

「ああ、この通り!」
「全員大丈夫だよ」

どろろと沙世が答える。さるが胸を撫で下ろしていると何かに気づいた。さるはそこへ向かう。お梅が浮いていたのだ。

「姉ちゃん!姉ちゃん!」

さるは必死にお梅を呼ぶ。するとだ。

「さる…?」

ゆっくりとさるを呼んだ。生きててくれたのだ。

「そうだぁ、さるだ、姉ちゃん…生きてて良かったぁ…」

心の底から喜ぶさる。すると百鬼丸が揺れた。その様子は間違いない。

「兄貴?もしかして…」
「体が?」

沙世が聞くと鼻が落ちた。

「兄貴の鼻が戻った」
「百鬼丸兄さん!良かったね!」

沙世は言うが今だけ良くなかった。

「…く、うぅ…っ」
「あ、そうだった!」

鼻が戻ったという事はこの硫黄の臭いが分かるという事。百鬼丸は苦しそうだ。

「沙世姉ちゃん!どうするんだ!?」

どろろが沙世に聞く。

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作者名:AYAAYA | 作成日時:2019年2月24日 21時

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