無表情さんはストレスがたまっているようです【今日から俺は!!】 (ページ6)

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華やかな高校デビューをするようですページ6

「おい、何ガンつけとるんじゃいぃ！」

「……」

…あれ、なんだろう。既視感が

新しい制服と包帯に身を包み、比較的晴れやかな気分で迎えた高校の入学式
それだというのに、何故私は絡まれてるのか…

「シカトしてんじゃねえ！」

「……」

…さようなら、華やかな高校デビュー……

・

「アマのクセにガン飛ばしてくるなんざ、余程自信あるみてえだなぁオイ」

飛ばしてません。ついでに言うと自信もいまいちありません

囲まれて、誘導されるがまま屋上に来た私
…これって言われるがままにしてたら、またパシリになる感じ…？それは嫌なんだけど

「無視してんじゃねえぞ、コラ」

「…あの、」

「あぁ？」

「喧嘩負けたら私、どうなります？」

「…は？」

気になった事を正直に聞く…だって一番大事なポイントだし
またパシリになるんだったら、こいつらを倒す事も考えなきゃな…

「…なぁ、どうするか…」

「考えてなかった…」

考えてなかったってなんだよ。いい迷惑だよ
…にしても、なんか緩いなここのツッパリ。喧嘩しなくても言いくるめられるんじゃ…

そうと決まれば、行動するまでだ

「あとさ…私ガン飛ばしてない。もともとこの顔」

「はっ？」

「表情筋が如何にもこうにも動かないの」

私がそう言ってやると、「病気だったのか」と心配される…優しいかよ

「…じゃあ、俺達がガンつけられたと思ったのは…？」

「勘違いだね…ってあぁ、そんな気にしなくていいよ。慣れてるから」

ピュアだ。ピュアだ、このツッパリ
私が勘違いだと言い切るとあからさまに申し訳なさそうな顔をする男達

…なかなか、いい高校に入学できた

「私、一ノ瀬 A
春休みのバイト中に怪我して包帯巻いてるだけで、スケバンとかっていうわけじゃないから」

「そうだったのか…ごめんな、一ノ瀬。俺、佐川直也ってんだ」

「俺は梶原正人」

「俺は川又賢二」

「俺は…「待って、覚えられないから」

一気に言われても覚えられるほど、私の脳みそは大容量じゃない…多分

ストップをかけると、寂しそうな顔をするツッパリ
…仔犬みたいだ

「いや、聞きたくないってわけじゃないの。もう少しゆっくり、ね？」

「「「！！……はいっ！！！」」」

訂正しよう、“みたい”じゃない。仔犬です

「一ノ瀬…いや、Aさん、なんか姉御感がすごいっす！」

口調変わってるね、佐川君や
ここの数秒で私の態度の何が君達を変えたって言うの…