無表情さんはストレスがたまっているようです【今日から俺は!!】 (ページ4)

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一方的に殴られているようですページ4

幸い…と言ってはなんだけど、中学のおかげでこういうのは慣れっこだ

怪我の見た目がアレだから包帯が必要になってくるだけで、
痛みはあんまり感じない…もう、麻痺してるんだ

「おら、行くぞ！」

「っ…！」

抵抗しない私を、サンドバックのように扱うツッパリ

…あ、喫茶店の制服着たままだ…
気付いた時には既に遅く、制服はボロボロに汚れてしまっていた

…失敗した。弁償しろって言われたらどうしよう

「な、なんでずっとその顔なんだよ！気持ち悪い！！」

後悔していると、三人の内の一人が悲鳴をあげて後ずさる
…どうやら、無表情で殴られ続ける私がたいそう不気味に見えたらしい

引っ越す前のとこにはいなかった、新しいタイプだな

こういう風に離れてくれれば、私は楽に過ごせたのに

「はっ、別にいいじゃねえか。殴り放題だぜ？」

「いいストレス発散になるしよっ」

あぁ、そうそう……こっちタイプの人が、多かったんだよなぁ

悲しい現実とパンチを受け止めながら、明日からの高校生活について考える
この調子だと、高校デビューが包帯姿になるんだろう

って、なんで私の高校生デビューをコイツらに崩されなきゃいけないんだ
…中学の時みたいに夜に顔隠して仕返しするくらいなら、平気かな

顔、覚えとこ

ジッと彼らを見つめていると、「気持ち悪いんだよ！」と思いっきり殴られる
なんて理不尽なんだ

「何やってんの？お前ら」

「あ、相良さん」

…何、新しいお客さん？
これ以上の人数で殴られ続けるのは、流石に名人の私でも辛いですよ

若干ふざけつつも、相良と呼ばれた男の方を見る
銀髪、か…覚えやすい髪型、嫌いじゃないよ

「ガン飛ばしてきたから、女殴ってるわけね…」

「うっす。コイツ、全然叫んだりしないんっすよ」

「サツとか来ないんで楽です」

…君達…警察沙汰になる事もしちゃうのかい、初耳だよ
変に関わりません、と改めて強く誓う

「馬鹿が…女に対するストレス発散なら、もっと別のがあんだろ」

ニヤリと、悪い笑みを浮かべた銀髪
…ここまでゲスい奴に会ったのは、久しぶりです。いや、初めましてかも

身の危険を感じた私は、一瞬で立ち上がり、背を向けてスタコラサッサと逃げ出す

「あ、あんのアマ…！！」

「逃げてんじゃねえぞ！！」

後ろからそんな声が聞こえるが関係ない
逃げるチャンス作ったのはてめえらだよ、ばーか

今夜仕返ししに行くから、覚悟しやがれ
…夜までたむろってろよ！