【HQ.能力パロ】話をしよう 第五部

能力 228 ページ30

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龍堂の剣術大会の人気は凄まじく、あまりの観客の多さに思わず心の中で " 人がゴ〇のようだ！！ " と叫びたくなったのはまだ記憶に新しい。


そんな大人気な龍堂生。
そいつらのレベルも土俵も規格も規模も桁違いな能力パフォーマンスなど、見たいに決まっている。


実際、Aも及川にコーチをつけもらった初日、たった一枚の葉っぱから樹齢100年をゆうに超えそうな大木が出てきた時は驚いたし、なにより感動した。


その感動を、生で、より多くの人に知ってもらいたいのだ。


てか、山を操るバケモノ及川さんも正直みてみたい






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やっと仕事が一段落して、能力が効かないAは汗だくになりながらあの山道を登る。ようやくステージにつくと、そこは野外フェスも顔負けの盛り上がりを見せていた。


そして、ステージに立つのは今回とてもお世話になった阿吽………及川と岩泉だった。



「すっごい……」


観客が音楽に乗り騒ぐ少し後ろからステージを見て、思わずそう言葉が漏れた。


ステージには、及川の操る大樹を岩泉の最大火力で燃やし、悠々と空を飛ぶ大きな炎龍の姿がそこにあった。

燃えたらまた新たな木が下からそれを補強し燃える。それを繰り返して益々炎をあげる、龍。


高まる温度が熱い。
観客の声が、視線が熱い。
全てが、熱いｯ！


あまりの迫力に観客も、Aも、思わず見とれてしまう。だがそれだけじゃない、及川の操る龍は大胆でありながら気高く洗練された立ち居振る舞いで星の輝く大空を泳いでいる。



" 神様 " なんて、簡単な言葉じゃ表せないような、そんな威厳と儚さが表現されていた。




「凄いな」

「ほんまやな」

「！」


圧巻のステージに思わず言葉がもれた。すると隣から声がしたので顔を向けると、そこにはわずかに頬を緩めながらステージを見つめる北の姿があった。


「流石ですよね」

「せやなぁ、ここまでの能力を操るんは並の努力じゃ無理やろな。でも、楽しいやろうな」

「ははっ、確かに、とても楽しそう」

「パフォーマンスは勿論やけど、それ以外の対策もしっかりしとるんやな」

「もちろんですよ」


ステージと観客席の間には、黒尾さんを中心に、生徒たちが操る透明な檻やバリアが張られている。彼らが大暴れすればするほど、客席にや森の方に火の粉や能力が飛ぶ。それをガードするのだ。

観客たちや、自然にも安全なステージを。




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