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能力 199 ページ1

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これだけの人数がいるのにも関わらず、死んだような静けさが辺りを包んでいた。ザワザワと風に揺られる青葉の音がとてもうるさい。


「…………お前、なんでこんなこと」


大将が低い声で問いた。その表情はどこか悲しげて悔しさが滲んでいる。


潜と呼ばれた青年は、彼の言葉に肩をすくめ少し下を向いて黙り込む。しかし暫くして弱々しい声で答えた。


「……俺は、ただ、大将様の役に立ちたかった」


声は震えていた。心からの願いだったのだろう、彼の様子を見てAにはすぐにわかった。



「せやけど、他人や関係の無い人に迷惑かけてええ理由にはならん」

「……」


北の厳しい指摘に言葉も出ない。潜は変わらない表情で俯き、何処か遠くを眺めながら、黙り込む。

すると、潜のその態度に痺れを切らした侑が大声を出した。


「なんやねん、なんか喋れや。黙っとれば許されるとか思うてへんよな?おい。」


「………思ってない」

「ならっ!」

「侑」

「………すんません…」


ヒートアップしそうな侑を北が制す。
しかし、いつまでもだんまりを決められても困るのは確かだ。

そして、潜の本心を聞き出せるのは、彼しか居ない。



「潜、なんでこんなことした?」


大将が問いかける。


「………」



沈黙。



「……話してくれないか?」


「………………………お、れは」





そして、彼はゆっくりと語り出した。
潜尚保がなぜ人を襲うようなことを始めたのか。

その真意を。




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能力 200→



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サヤカ(プロフ) - いちばん、大好きです。こんなにも読み返した作品今までにないです。心無い言葉ではなく我々の感謝に目を向けてください。応援しています。 (2022年10月19日 16時) (レス) @page50 id: 61500f37b5 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊蒼 - すっごく面白いです!友達にもおすすめしちゃった!! (2022年9月22日 17時) (レス) @page50 id: 9b1ede6104 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ずっと応援しています!最高に面白くて、毎回更新されてないかなぁと見に来ていました!次回作、本当におめでとうございます!!とても読みやすくて、本当にHQ作品の中で一番好きな作品です。何回も読み直させてもらっています。次回作も楽しみにしています! (2022年6月15日 16時) (レス) @page50 id: 68bcf78704 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - 油揚げさん» いつもコメントありがとうございます。新作のコメントも読ませて頂きました。しかし、悲しいことに無意味な低評価が多くメンタルにも影響がありそうなので作り直させて頂きました。いつも本当にありがとうございます🙇‍♂️ (2022年5月18日 8時) (レス) id: f85dcebcdc (このIDを非表示/違反報告)
油揚げ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!!めちゃくちゃ嬉しいです!!! (2022年4月19日 9時) (レス) @page48 id: b66c454432 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘納豆 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年9月27日 15時

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