検索窓
今日:3 hit、昨日:25 hit、合計:392,681 hit

能力 38 ページ38

.





「ふー…………おっし、もう一回お願いします」

「えっ、まだやるんスか!?」


私の言葉に日向が驚きの声を上げる
私は日向に力なく笑いかけながら答える


「いやー、みんなより強くなるのが想像できないんだ」


そう言うと茂庭さんが不思議そうに首を傾げる


「……それなら逆にやる気なくならない?」

「いえ、分からないから早く知りたい。強くならないなんて事はありませんから。それに、今の私には前に進む以外の道はありませんよ」


Aはそう応えると吹っ飛んでいった刀を回収した。良かった、傷も刃こぼれもない。



刀を手に戻ると、茂庭さんと黒尾さんが苦笑いしをしていた。私がどうしたのか聞くと二人は眉を下げながら口を開いた


「いや、前向きとは言ったが、流石に限度があるだろ」

「よくそんな考え方を貫けるなぁ……って思って……」

「……えっ」


何だか気持ち悪がられてる!?
私がそう思っていると、現状をよく分かってない日向が元気な声を上げた



「あ、Aさん!次やるんなら俺相手しますよ!!」

「お?本当??ならよろしく頼みます!」



そう言って私と日向はお互い向かい合って剣を突き出した。

日向は多分直感で動くタイプ、なら私は冷静に分析しようじゃないか。そして己は息を乱さず相手の呼吸を乱させる。



そして日向の呼吸を聞く為に、Aは刀を振りおろした。









.









「あー………負けた。行けると思ったんだけどなぁ」


吹っ飛んだ刀を見ながら、私はそう項垂れた

日向は黒尾さんより隙も多いし動きも単調だった。
でもやはり一番の課題となるのは



「……やっぱ体力がなぁ」


そう、体力。
前半は完全に私が押してた、ただコレという一撃がなかなか決められず長期戦へともつれ込んだ

長期戦となれば、毎日山で培った体力が有り余る日向の方が圧倒的に有利。それに日向は能力なしでも動きが素早い。


私は日向の速い一撃に打たれて終わった。





「剣術大会は能力禁止な分、男子の方が有利だしなぁ」

「うーん、取り敢えず体力つけないとですよね……」

「そうだな」


黒尾さんはそう笑いながら汗だくの私にタオルを手渡してくれた。いつも思うが、この人意外と行動がイケメンなんだよなぁ………


私は渡されたタオルで顔を拭きながらそんなことを考えていた





.

能力 39→←能力 37



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (234 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
399人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

0xx38t550360m7h(プロフ) - 甘納豆さんの作品大好きです!これからも頑張ってください! (2020年3月9日 12時) (レス) id: 70db7652be (このIDを非表示/違反報告)
コアラランド(プロフ) - い、一体夢主ちゃんの後つけてたのは誰なんだ(;・∀・) (2020年1月10日 22時) (レス) id: 5b9d17e3ea (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - 26ってもしかしてにr((面白いです!!パロ系の話大好きなので頑張ってください!! (2019年12月22日 10時) (レス) id: 86e8f7f917 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!!無理しない程度で頑張ってください (2019年12月19日 23時) (レス) id: 398e0a716f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:甘納豆 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年12月2日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。