夏の思い出 ページ12
視界がクリアになった
それはつまり、お守りを受け取る瞬間でもある
私は受け取ったお守りをギュッと握りしめ、宮水さんの方に向き直った
「あの、宮水さん!……タイムリープから抜け出す方法って、、分かりますか?」
「………お前さん、、、もしかして」
「た、助けてください」
そう本音が漏れた
何度も何度も何度も何度も同じことを繰り返し、どう足掻いても変わらないループ、正直辛い。
「ッ、あの本のせいかッ……徹くん!あっこの蔵から人数分のスコップ持って裏の御神木んとこ行きぃ!」
「え、スコップ?御神木?!」
「早う!!」
「は、はい!!」
宮水さんは寺門の入口入って右側にある蔵を指さし、及川さんに蔵の鍵を投げてそう声を荒らげる
どこか焦ってる宮水さんに不安を覚えつつ、私達は蔵へと走った
.
「はぁ、はぁ、、蔵ってこれですよね?」
砂利を踏む足音を鳴らし、蔵の入口に立つ
息を切らしながら大きな蔵を見上げる
ドアの取っ手部分には南京錠がはめられ開かないようにされていた
「聞きたい事は山ほどあるけど、それは後にして取り敢えずスコップ探そう」
「うス」
宮水さんの慌てように何か察した及川さんは、そう言いながら南京錠の鍵穴に宮水さんから預かった鍵を差し込んだ
ガチャと音が響き、南京錠を外し扉を開く
案外スコップはわかりやすい所に置いてあり、蔵の左奥の壁に立てかけられているのが見えた
ひんやりと埃っぽい空気が流れて少し背筋が伸びる。この時確かに感じた、なんか嫌な感じがする。
「……及川さん、大丈夫っスか?」
「、、、うん。大丈夫、、早く探そ」
影山君の心配する声が聞こえ及川さんの顔を見る。少し青ざめ、僅かにだが腕が震えている
私だって流石に分かる
ここに何かある。
「ッ、私一人で行きます」
「!!……ダメ、危ないよ」
「……大丈夫ですよ」
及川さんと影山君の前に立ち蔵の入口を塞ぐように立つ。直ぐに及川さんの反対の声が上がるが、無視して蔵の中に足を一歩踏み入れた
ヒヤリ。
背中に感じた違和感
無視だ無視、意地でも突き進んでやる。
そう思いながら何歩か歩くと胃の奥からぐわりと何かが押し出される感覚に襲われる。
強い吐き気と目眩
咄嗟に右手で口を押さえ、スコップが立て掛けられてる場所に走って向かう
.
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甘納豆(プロフ) - えるるるるさん» コメありがとうございます🙇♀️パロ大好きなんですがなかなか作品もなく頑張って書いているのでそう言って貰えると本当に嬉しいです😭最近は執筆のモチベが下がっていたのですが、えるるるる様のコメを見て頑張ろうと思えました…🥲 (2022年5月13日 19時) (レス) id: f85dcebcdc (このIDを非表示/違反報告)
えるるるる(プロフ) - やっぱりハイキューパロといえば甘納豆さんだなぁ…小説書いてる人で1番すきです… (2022年5月13日 18時) (レス) @page18 id: 80c508f955 (このIDを非表示/違反報告)
☆こらしょ☆ - うぅ〜ッ、どうしましょう…!もう当分、1人で夜遅く活動出来ません|д゚)チビってしまいます…(;_;)(怖いの苦手なんですけど、ほんわか系もあって読みやすかったです…!) (2020年9月25日 1時) (レス) id: 3ff78f13dc (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - 蝉の佃煮さん» コメありがとうございます!寝る前にちょっとのつもりが最後まで!ありがとうございます(泣)私もホラー大好きなのでこれからも色々掛けたらいいなと思っています。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: 56a49e38cc (このIDを非表示/違反報告)
蝉の佃煮 - HQのホラー小説は初めて読んだのですが物凄くゾクッと来ました! 寝る前に「ちょっとだけ・・・」という感じ読んでみたら一気に最終話まで読み終わってしまいました コメを書くのは初めてで何言ってんだこいつみたいに思ってもスルーしてください・・・ (2020年5月20日 21時) (レス) id: fc5c93fef2 (このIDを非表示/違反報告)
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