【薄桜鬼】白き花は笑う？ 【番外編】

白銀さんのテスト ページ18

高2になって、
中学3年と高1の復習テストが行われた。

｢ふーん、Aちゃんは
数学と理科が苦手なの。
典型的な文系タイプだね｣

私のテスト結果を見ながら
沖田さんはつぶやく。

｢あぁ。
これなんか酷いな｣

問一 素数を求めろ。
39,41,51,61,77,81,87,93,104

正答 41 61

白銀A 全部

｢テストの時Aちゃん『すすう』って
なんですかって質問してたよ｣

｢ふむ。こうなるだろうな。｣

問二 光合成を行う緑色の粒子を何というか。

正答 葉緑体

白銀A アオミドロ

｢アオミドロってあながち間違いじゃないけど｣

｢あぁ。発想は正しいな｣


｢でも社会は97点なんだよねぇ｣

｢どこを間違えたんだ？｣

問一 ご恩と奉公のご恩とは何か。
五十字以内で説明しろ。

正答 将軍が御家人に対して、以前から所有していた領地を保護したり、新たな領地を与えたりすること。

白銀A 恩返し

｢かすってるけどね｣

｢二点問題なのに、もったいないな。｣


問二 織田信長が明智光秀に破れた事件を何というか五字で答えろ。

正答 本能寺の変

｢ん？｣

｢総司、俺にはどこが間違っているのか
分からないのだが｣

｢僕も｣

すると後ろから細い腕が伸びる。

白くて光に当てると
透けて中身が見えそうだ。

｢これは見ないでください。｣

リュックのチャックを開けて
中から兎のファイルを取り出す。

なにか怪しいと思い、
そのテストをばっと取り上げると
巣を奪われた小鳥のような顔で
僕を見つめる。

からかい甲斐があるなぁ……

一くんと共にそのテストをのぞき込む。


｢｢あっ｣｣

ちょうど見つけたのだろう。

二人の声は重なって
思わずAちゃんの方を見やる。

机に突っ伏したまま、
綺麗な黒髪を風に揺らしている。


｢ふふっ……本能寺の｣

｢恋……｣

一くんがバカ真面目につぶやくもんだから
思わずお腹を抱えて大笑い。

先生は赤ペンの綺麗な字で
｢織田信長は恋で死にませんよ!!｣と
小さく書かれていた。

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