検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:346 hit

気配 ページ7

5
翡翠は、痛む肩に包帯を巻き、薊と共に、掘建小屋にいた。
「夜明けには出発しよう。」そう翡翠が言うと、薊は驚いた顔をした。「その傷でですかダメですよ。」翡翠は、その驚きようを見て、朝霧の事を思い出した。任務の事を話さないまま、自分は出発してしまったが、朝霧は心配していないだろうか。もともと、とても優しい性格の朝霧は、ちょっと顔を見せないだけでも心配してくれるのにこんなに長く留守にしていれば、どうなるのだろう。
翡翠はくすり、と笑うと、薊に向き合った。「薊は怪我していないし、私はこれくらい大丈夫だ。」わざと指導者口調で言う。習慣から上忍の言葉には従ってしまうのか、薊は気付くといい返事をした。「いい返事だ。ご褒美をあげよう。」その手のひらに、小さな飴玉を握らせると、さすがに子供扱いされていることに気づき、薊はむうっと膨れた。
「私も一応15です!5年遅いですよ!」そう言われても、翡翠は笑みを消すことができなかった。薊と朝霧はよく似ている気がする。しばらくすると、薊はへそを曲げて、こちらに背を向けた。
「誰かの気配がします。見てきます。」ぶっきらぼうにそう言い、薊は掘建小屋を出て行った。
あとに残された翡翠はゆっくりとため息を吐き、薊の余韻に浸った。

霧丸→←終わり



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:NARUTO , 忍者 , くノ一   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:hisui | 作成日時:2017年3月28日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。