お見通し ページ9
オレの言葉に黙っていた家光さんが、一度目を閉じてふうと息をこぼす。
「ツナを守ることに関しては誰にも譲りたがらない鈴兎がそう言うなら、オレがうだうだ言ってもしょうがないな」
意外にもそこに落胆や焦りはなく、口元には笑みがあった。穏やかに見つめられ、やっぱりこの人はツナの父親だなぁと眩しく思う。普段はダメ親父でも、こういうところで器の大きさを垣間見ると、ジョットの血を引いてるんだって改めて実感する。
嫌味言ったの謝るべきかな。流されたけど、一応尊敬している人に対して馬鹿にするようなこと言ってしまったのは事実だし…
と、しおらしいことを考えたところで、家光さんはニッカリ笑って言った。
「いやー、やっぱリボーンは生徒のことよく見てんなあ。お前が怒るのも断るのも雲雀の名前を出すのも、全部あいつの言った通りだ！」
「キョ？？？」
完全に意識の外に追いやっていた天敵の名前が急に出てきて、喉から変な声が出た。なに、生徒とか、言った通りとか、なにそれ。
後ろを振り返ると、ムカつく赤ん坊は塀の上でニッと笑ってこちらを見ていた。
「
「だ、誰が可愛い生徒だ…つーか、ワガママ…？」
再び玄関方向に目を戻すと、ちょっぴりバツの悪そうな顔で頬をかく家光さんと目が合う。
「ごめんなぁ〜鈴兎、実は雲雀とお前のどっちかで迷ってたんだ！どっちも捨てがたくってな！スマン！このとーり！！」
パン！と手を合わせて謝罪する姿はまさにダメ親父。休日の家族サービスが急な仕事でおじゃんになった時の父親。
それを見たオレは、怒りを通り越して脱力してしまった。シリアスモードの無駄遣いをした気がする。
「イイヨ…じゃあ学校行くね…」
「ついでにヒバリにリング渡しといてくれ。よろしくな風紀委員」
ほら、とリボーンに手のひらに転がされた、ボンゴレの家宝。おつかい感覚で部外者に持たせていいもんなんですかね。いや、丁重に確実に運ばせてもらうけれど。
はあ、とため息をついた、修業一日目の朝のことだった。
◆
「恭ちゃん、これあげる」
「…指輪？」
「プレゼントでーす。ペアになってるやつだからちょっと形は歪なんだけど、格式あるものだから大事にしてね」
「……また沢田綱吉がらみでしょ」
「バレてら」
「君って…はぁ…」
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卯月伍(プロフ) - 暁月臨さん» ありがとうございます！下手すると数ヶ月とか挟んで急に投下するスタイルですが、続きを待っていてくださる方がいると思うとモチベが上がります！ (12月21日 20時) (
レス) id: cac572832d (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - めっちゃ好きです…！続き待ってます！！ (12月12日 14時) (レス) @page30 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月伍 | 作成日時：2020年11月14日 12時
