金髪少女と出会いの物語

山猿の誘拐（３） ページ11

「うっ.......べ、別にいいだろ、自分でなんとかする」


「あはは、クラリネスはいいところだね

ここはとても魅力的だ！」


すると、さっきまで白雪を見つめたいた子供が突然、

「真っ赤っかだ！お母さん！ねぇ！どうして真っ赤っかなの？

あのねーちゃんの髪、真っ赤っかなの！どして？どして？」


そう騒ぎ、母親に注意される子供

涙目になる子供を慰めるため


「林檎みたいに美味しそうでしょ？」

と、白雪は子供に話しかける


「...うん！食べたい！ねぇお母さん林檎！

食べたくなった！食べに行こうよ」


「え、えぇ.......」

お母さんは子供をなだめるために渋々頷く

「やったぁ！林檎！林檎！」


アッハッハッハッハッ


荷馬車の中は、笑い声に包まれた



港に着くと、

「わぁ！賑わってる！」


「色んな国の者が出入りしてるからな

様々な文化が混じってる」


「おやっ！ゼン殿下とAさん！」

丁度いい酒が入ったという酒屋
また今度改めてと言われたので去っていく


「知り合い？」

『うん！』


「前に街で知り合ってな

それ以来兵達の土産を何度か頼んでる」


「ゼンはなんで城から脱走するの？」

「は？」

『.......ぷっ！あはは！』


どうやらラジは全て使いの者を寄越すため、脱走する理由が気になったらしい


「さっき白雪は言ってたよな、この国は魅力的だって」


「うん」


「俺もそう思う

ここにはまだ俺の知らない魅力が山ほど隠れてる気がするんだ

だから、もっと色んな事をみたい、知っていきたい」


『だからって脱走は困るけどね〜』

「うるさい！お前だって脱走するだろ？」

『私はやる事を全てやってからだもん！』

言い返せなくなるゼンだった...



「いい薬を作るのは、いい薬草

いい薬草を作るのは、いい土地

私はここの土地の事を知って、ここの薬草の事を知りたい

私とゼン、似た者同士だね」



カンカン、カンカン

「船が出るぞ〜」

「あっいかなきゃ！」

『ゼン、私も.......』

「ダメだ！まだ執務が残ってるだろ？」

タタタっと走言っていく白雪、


『(？.......あいつ.......)ゼン！』


「だからダメだと.......」


Aの目をみるととても真剣だった
何かある、そう察したゼンは


「分かった、行ってこい

ぐれぐれも気をつけてな！」


『うん！ありがとうゼン！』

タタタっ.......


「気を付けてな！」

と白雪に声をかける

山猿の誘拐（４）→←山猿の誘拐（２）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す