灯火は、まだ第3章 (ページ11)

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「お前は兄を愛していたんだろ」

　それはまるで、確信的な物言い。愛していればそれは呪いでもなんでもないと言いたげな、初めて聞く声だった。

「お前は兄が大好きで、兄もお前のことが大切だったんだろ」

　それはまるで怒りをぶつけるかのように強く握って、私の目をまっすぐ見つめた。ああ、私にずっとそれを言おうとしていたのか。

「黒トリガーは、優れたトリオン能力がないと生成されない。しかも、それがあるからと言って必ず成功するわけでもない」

「なに、いって、」

「お前の兄は、賭けたんだろ。一か八かの、愛する妹のために」

　そんなこと、知らない。するりと四肢の力が抜けて座り込んだ。腹から込み上げる感覚に視界がぼやける。
　三輪は、左腕を掴んだまま、言い聞かせるように私に言葉を放った。

「だから、これを呪いだというのはもうやめろ」

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