24話【月宮空斗】 ページ24
――早く、早く。あいつから逃げなくては。アーレスへ戻らなくては。
零姉も、ルルも、少しは落ち着いているはずだろう。2人と何を話そうか。今日の依頼も早く終わらせなくては。
頭の中がぐるぐるして、ごちゃごちゃして、訳が分からなくなっていく。
ただ、ハッキリしているのは「アーレスに戻らなくてはいけない。」ただそれだけだった。
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魔物から逃げ回って数十分。たった少しの時間であったものの、感覚的にはもう何時間も走り回ったようだった。
あの時の事を思い出すと、どしん、と心の真ん中辺りに漬物石が置かれたような気持ちになってくる。
あぁ、早く切り替えなくては。
気持ちを入れ替えようと頬を軽く叩くと、ぱんっと軽妙な音が誰もいない大きな道に響く。
――よし、いける。
ちなみに、先程のことは誰にも言わない。こんな大変な時に言わなくても大丈夫だろうし、寧ろ今言ったら他の人達が大丈夫ではなくなるだろう。トラウマくらいは1人で解決出来るだろうし、こんな事くらいで年下の手を煩わせるのもどうかと思う。
……本音としては、あんな情けないことを露呈したくないだけなんだけれども。
ちょっとばかしカッコイイことを言ってみたかっただけで、自分のトラウマを一人で解決?
そんなの無理に決まっている。第一、1人では魔物の前には出れないのに、どうやって解決すると言うのだ。
そんな自問自答を繰り返して数分。やっと目の前の家へ入るための心の準備が出来たようで、ひんやりとしたドアノブに手をかける。
がちゃり、と聞き慣れた音。バタバタした足音。
……何かあったのだろうか。
「ただいま。……何かあったの?」
靴を脱ぎながら、大きな声でリビングにいるであろう誰かに問いかける。
おかえり、と元気な声が聞こえてくる。そのままリビングに向かって、ソファに座っていた人物にもう一度尋ねてみると、俺がいない間にまた何かあったようだった。
……これは、本当に言わない方がいいな。良かった、いつもの感じで地操とか呼んでなくて。
ふぅ、とため息を着いた俺を見て、目の前の人物は不思議そうに首を傾げていた。
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▽気づいたら空斗君がトラウマと遭遇してました。
混沌としてる中でのもう1人のトラウマ遭遇者。本当に申し訳ないです。
突っ込んで頂いても、スルーして頂いても構いません。次の方、宜しくお願いします。
(更新遅くなってすみませんでした……。)
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緋雨(プロフ) - 更新しました (2019年1月27日 19時) (レス) id: a99e3f0dd3 (このIDを非表示/違反報告)
緋雨(プロフ) - 更新します。 (2019年1月27日 19時) (レス) id: a99e3f0dd3 (このIDを非表示/違反報告)
八彩(プロフ) - 終わりました。 (2019年1月12日 20時) (レス) id: 6f8b3d2233 (このIDを非表示/違反報告)
八彩(プロフ) - 更新します。 (2019年1月12日 19時) (レス) id: 6f8b3d2233 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - 終わりました (2019年1月11日 22時) (レス) id: 0f72c4ac28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アーレス(八彩・ユリ夜桜) x他3人 | 作成日時:2018年9月15日 13時