体育教師と運動音痴:３ ページ12
あやすように頭を撫で続ける青峰の手をAは振り払おうとせず、大人しくされるがままになっていた
おずおずと上目遣いに青峰を見上げる瞳は不安気だ
青峰はAを安心させてやりたい一心で、一層意識して優しく笑った
｢どっかで活躍できる機会が来ないとも限らないだろ。だからそん時まで諦めんな｣
.
.
4月。
授業中だと言うのに体育館の隅っこで小さくなっていたAは、
小学生の頃からそうやって周りに迷惑になることを避けていたという
青峰は、よく一人で耐え抜いてきたな。と悲しい気持ちになりながら、
今までAに気付かずに過ごしてきたという名も知らない体育教師を片っ端から殴ってやりたいという衝動にかられた
今まではこうして吐き出す場所があるが、弱音も青峰に出会うまではその小さな体にの中に全て溜め込んでいたのであろう
今よりもっと、幼く、さらに頼りげのないAを想像するすると青峰の胸がツキりと痛んだ
Aが満足するまで存分に甘やかしてやりたいという気持ちは、時に共に溢れるばかりで萎む気配がなかった
それから暫くして、黙っていたAが青峰を呼んだ
｢､､､先生｣
｢落ち着いたか？｣
小さく頷いた、Aは抱えていた足をそっと床に下ろした
青峰がソファの前にしゃがめば、普段は見上げるばかりのAが青峰を見下ろす形になる
いつからこんなふうに青峰を頼るようになったのか、何がきっかけでこの場所を訪れるようになったのか
Aの記憶は既に曖昧だった
授業に出ておきながら参加しようとしないなんて、真面目なのか不真面目なんだかハッキリしないような存在はきっと自分くらいで
青峰の印象に残りやすかったのは確かだろう。
Aの心の内を真剣に聞いてくれたのは青峰が初めてだった
さり気なく、黄瀬のきつい言葉責めから救ってもらったことがある
そういう積み重ねの中で、自分でも気付かぬうちに青峰に信頼を寄せるようになったのかもしれない
初めは彼が自分を見つけることが恨めしかったのに、
今ではどこか嬉しく思っていることにおかしく思う
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吉舎 奏多(プロフ) - 久しぶりにみた傑作です…!!!頑張って下さい(´∀`) (2017年10月16日 6時) (
レス) id: 2be624847e (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃオレ - あああ青峰君が優しくて萌えました！凄い面白かったです！更新待ってます！ (2017年10月15日 13時) (レス) id: f0f45dbb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キセキ | 作成日時：2017年10月9日 22時
