【HQ!】バレー部とのエンカウント率が高い系女子の日常【稲荷崎】

第十三話 ページ14

なんと、女バレの皆さんは私をお昼に誘いたかったようだ

だが間の悪いことに今日は治君という先約がある

その事を伝えると女バレの皆さんは阿鼻叫喚で悔しがってた。あ、もしや普通にいい人達なのでは

なら移動教室はと聞かれたが、なんと女バレの皆さんと私は体育以外は全て違う教科を選択していて、そこでまたもや叫び声が上がった。ちょっと五月蝿かったけど、運動部が殆どの3組で気にする人はいない。てか私以外全員こんなテンションである

なんならこの運動部しかいない三組の中で唯一の理系である。何故そんなクラスに私が投げ入れられたか、クラスの平均点を上げるためらしい。成程、それを本人の前で言うか教師よ


そしてなんやかんやで昼が来た。
お弁当を持って廊下に出ると、治君が朝の窓際にもたれかかって待っててくれた。おお、イケメンやな


「あ、露草さん来た」


『おん、来たよ。待った？』


「いや、今来たばっか。露草さんも早めに出てきてくれてありがとうな」


『早め言うても、そんな忙しくなかったし、普通やで』


「でも、ありがとうな。んじゃ行こ。早く行かんとまた煩いのが走ってくるわ」


『うるさいの………？』


「侑や侑」


『あぁ』


そう言って治君はゆっくり歩き出す。三組の教室からは女バレの皆さんが悔しそうにこちらを見ているが、とりあえずそっとしておこう。そして侑君、ごめんね。さっきの姿見たらうるさいって言葉に反論出来ない


バレー部の宮治君が隣に女子を伴って歩いているのは珍しいことなのか、特に下級生の子にめっちゃ見られる。中にはショック、と言った表情の子もいれば泣き崩れてる子もいる。え、なんかごめんなさい


「気にせんでええよ。露草さんのせいや無いし」


『……あ、考えとることわかった？』


「目線で何となく。だから気にせんでええよ。あっちの被害妄想が激しいだけやし、俺下級生に異性の知り合いおらへんし」


『え、知らないのに隣に女子が居ただけで泣かれてるの？』


「何、それ俺のせいなん？？」


『そういう訳やないけど……なんというか……モテるって大変やな』


「………お気遣いどうも(ブーメラン……)」


確かに、歩いとるだけでイケメンだしな、治君

モテモテと噂の侑君より落ち着いてるし、大人っぽさに惹かれたりするんやな…と思いながら隣を歩き続けた


ーー

どんどん主人公の中で好感度が落ち気味の侑くん……ごめんよ。諦めるな、まだチャンスはある

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