32.不動(笑)の昼神 ページ32
side星海
「……なぁ、星海。あの昼神はどうしたんだ?」
「明日明後日の試合に好きな子が見に来れないと聞いて分かりやすく落ち込んでいる不動(笑)の昼神です。」
「嘘だろ?!あの煽り耐性激強の不動の昼神が?!好きな子が見に来れないってだけで落ち込んでんの?!(大声)」
「………ちょっとそこ静かにしてくれます……?」
初戦が終わって、ちょっとの休憩を挟んで、ホテルに戻ってきた俺たち。現在はミーティング終わりで、借りた会議室に鴎台部員がみんな集まっている。
幸郎の奴は目を疑う速さで着替え終わると、やっぱり真っ先にAの所へ行っていた。
そしてそのちょっとの休憩が終わって、バスに戻ってきた幸郎は、分かりやすく落ち込んでいた。
何があってもいつも笑顔のあいつだが、明らかに気落ちしている様に他のチームメイトや先輩たちは同様の色を隠せないが、俺は滑稽すぎて笑いが止まらなかった。
幸郎の落ち込み様は、バスに乗っている最中も、風呂に入っている時も、飯を食べている時も、そして部屋に帰って歯を磨いたりしている時も、ずっと続いていた。
これが不動(笑)の昼神と言わずしてなんというのか。
「なんで星海はそんなこと知ってるんだよ。」
「好きな子本人に聞きました。俺、そいつのマブダチなんで。」
「光来くん、ウソつくのやめようか。てかいつ聞いたのそれ。」
「インターハイ前に聞いた。あれ、幸郎知らなかったのか?」
「……………」
「ハッハッハ!!ざまぁみろぉ!!」
「星海!!昼神の心を抉るような(または怒らせるような)こと言うのやめてあげて!!!あの子のライフはもうゼロよ!!!」
「野沢さん五月蝿いです。」
俺たちの野次が、幸郎の落ち込みを不機嫌に変えていく。
気分が乗らないよりかは怒らせたほうが良いだろう。
明日明後日に響かなければそれでいい。
そんなことを考えていると、俺の携帯の着信音が鳴った。
俺は相手の名前を見ると、これは面白いことになりそうだと思って、俺はわざと幸郎と距離をとり、通話ボタンを押すと大きな声で言ってやった。
「おう、A!!どうしたんだよ、なんかあったか?」
「はぁ?!」
案の定、幸郎は大きな声で不本意の声を上げると、物凄い速さでこちらに詰め寄ってきた。
幸郎の凶暴化を察知した部員が、寄って集って奴を足止めしてくれたので俺は無事だ。
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早苗くん - 36話めっちゃすきです。「海を渡る鴎に相応しい、海の男の音が響き渡る。」のところカッコよすぎです。 (6月10日 12時) (レス) @page36 id: 5215e79380 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - あぽ様です。さん» ですよね!わかってるんですよ「現実的じゃないなぁ」「ちょっとキャラ崩壊かなぁ」とは!しかし!私の解釈で書いてまいりますので!応援してくださる方はそのままで、ダメな方はゆっくり回れ右をして頂く!これが葵坂流でございます!コメントありがとうございました! (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - ぺpopo。さん» ありがとうございます!!え、後味スッキリでした?!そう思っていただけたなら作者冥利に着きます!!夢主の性格は、作者どうしてもThe.女の子っていう子が書けない中でどうやって恋愛小説っぽい子を書くか思案した結果あぁなりました!これからもよろしく願いします! (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - FLOWERさん» たくさんのコメントありがとうございまする!やはりあそこですか!!作者も結構頑張ってキュンを追求したのですけど、やっぱり展開が早すぎたかなぁと反省しておりました。そんなところにFLOWER様のコメントを頂きまして、大変心がほっとしております!次も乞うご期待! (2023年5月3日 7時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
あぽ様です。 - 告白現場に居合わせる、ひどい振り方とか夢あるあるだね (2023年5月3日 0時) (レス) @page3 id: a540b2ed94 (このIDを非表示/違反報告)
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