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怒りに染まった目線を真っ向から受ける芥川は、冷や汗を流し、何度目かの唾を飲み込む
久々に感じる恐怖。まさかそれを、あろうことかこの伯爵から向けられようとは。
____伯爵のことは、年に数度やってくる姿を何度か見かけたぐらいだ。
そして極たまにポートマフィアの拠点に訪れて、首領と何かを語らい、尾崎紅葉と茶を飲んで帰っていく。
そんな伯爵の姿を、チラリと見かけた。本当にそれだけなのである
けれど、当時の芥川の幼心に、伯爵の洗練された美しさはかなり心に響いた。
甲高くなる靴音は耳に心地よく、低く響く声は身体を芯から震わせる。常に前を向く瞳は眩しく輝いていて、翻す衣服のなんとセンスの良い事か。
芥川少年の心を掴むのに時間は要さなかった
淡い、淡い恋心であり、そして叶うはずのない悲恋であり、どうしようもない憧れであった
太宰の執着にも似た恋情よりかは可愛げがある感情である
_____いつか、彼女と話せる時が来るだろうか
愛して貰えなくていいから、自分の存在を覚えてくれるだけでいいから
およそマフィアの上級構成員とは思えない程に、純情で可愛らしい感情
似合わないことはわかっていた。望めぬ立場にいることもわかっていた。
けれど、望まずにはいられなかった。そして願わくば、彼女の特別の1人に数えてもらいたかった
けれどそれは叶わず、今、芥川は、そんな彼女から怒りを向けられている
自分が切望した立ち位置にいる、あの人虎を狙ったせいで
_________羨ましい
執事の腕の中で幸せそうに眠るあの人虎に、自分が成り代われる時なんて訪れはしないのに
寧ろ、今自分は、そんな立ち位置からはもっと遠く離れた場所にいるのに
____どうしようもなく、涙が込み上げそうだった
幸いなのは、その顔を樋口には見られていないこと
誰もいなかったら、自分は大声を上げて崩れ落ちていただろう。
芥川は涙を飲み込み、腕に拳を作り、唇を噛み締めた
___そんな彼の表情を、伯爵は驚いた顔で見ている
まるで、母親に怒られて、泣きそうになるのを我慢している子供のようだった
音に聞く芥川龍之介。
彼との面識は無いが、我が愛し子と同い年ぐらいであることはわかっている。とてつもなく残酷な異能力を使うということも。
そんな彼が、自分の怒りで泣きそうになっている
伯爵は、ゆっくりと彼に歩み寄った
『………ベディヴィエール。其方のお嬢さんの耳と目を塞ぎなさい』
「…………承知致しました」
執事は承知し、素早く樋口との間合いを詰めて、峰打ちで気絶させる
この場に、彼が醜態を隠す必要のある者は、いなくなった
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苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (7月5日 17時) (
レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
きさらぎ(プロフ) - 更新嬉しいです！これからも頑張ってください！ (2023年2月25日 22時) (レス) @page19 id: 3316933a16 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年1月16日 7時) (レス) @page18 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - あのー、すみません。乱歩さんの『機嫌』が「期限」になってるな〜と思って報告しました。はい。 (2023年1月2日 8時) (レス) @page17 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
葵坂(プロフ) - でんでんでんさん» ありがとうございます！夢主はイケメンを目指して書いてます！これからもよろしくお願いします！ (2022年12月2日 8時) (レス) id: ea5ee97200 (このIDを非表示/違反報告)
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