清水潔子にぶたれた

悪魔　〜小夜〜 ページ14

下っ端「お前は今日ここで死ぬんだよっ！」

拳をあげたやつの手が私に振り落とされることはなく、下っ端は前にぶっ倒れた。

驚いて少し上を向くと



「…貴女が死んじゃったね」

月光に照らされ、妖しく微笑むAの姿があった。


恐らくこの場にいる奴ら全員がAに目を奪われたと思う。

女の私から見ても月光に照らされるAは美しく、それになんと言っても臓器が奮い立つ感覚に襲われた。

「次は、誰にしようか」

私に話す時間を与えないうちに、一瞬にして下っ端を殴り殺した。

ボス「っ！！」

”殺人鬼”でも見たかのような表情をして、体を震わし後ろに一歩下がる相手のボス。
さっきまで強気で自信に満ち溢れていた表情には今、”恐怖”しか浮かんでいなかった。

「どうしたの？なんで怖がるの？」

服に飛び散った鮮やかな朱をハンカチで拭きながら優しく微笑むA

ボス「っや、やめろっ！！！」

涙を流して震える声を必死に出す相手のボス。

「ははっ！いや」

軽くせせら笑った後に光の灯らない軽蔑の目をジロリとむけた。

それからは一瞬だった。

「手応えなさすぎ、それにいつもと同じ潰れ方、
もう飽きた」

Aは顔についた朱を公園の水で洗い流し、眩しく光る満月を見る。

小夜「いやいやいや！！！今回は特にヤバかったって！！久しぶりだからってやりすぎたわ！」

私もつられて満月を見そうだったけど現実に自ら引き戻した。

「え？そんな？でも弱すぎつまんない」

口をタコのように尖らせてこっちをチラッと見てくる

小夜「そんな可愛い顔してもダメです〜、こいつら死ぬんじゃないかって顔してたじゃん」

下に這いつくばって意識を失っている奴らを顎で指す。

「でもさ、教頭殴ったぐらいで二週間の自宅謹慎はないでしょ」
小夜「それはガチ笑った笑まさか殴るなんてね思ってもなかったから笑」

あの教頭殴り事件を思い出すと笑い死ぬんじゃないかと思うぐらい笑えてくる。

「まあカツラ吹っ飛ばしたのは悪いと思うけどね笑」

2人で教頭事件を思い出しながら笑い疲れたところで

小夜「今日来てくれてありがとね、流石って感じだったよ」

Aに笑って拳を差し出せば

「小夜のためならすっ飛んで行くのは当たり前。」

拳をコツンと当ててくれた後にパプリコ明日奢りなって可愛らしく笑った。



小夜「いつもは可愛いのに喧嘩のときはあんな恐ろしいなんて本当”悪魔”だよね」
「悪魔って言わないで！」

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