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シンタローがまだ謎が残っているような素振りを見せたので、問うた。
「何か聞きたいことは?」
「なんで、死ぬ必要があった…?何故悟ったような表情をしてるんだ?何を経験してきたっていうんだ」
…それは、
「何があったんだよ。この場にいる全員が、酷いことを経験しているんだ。生半可なことじゃ納得出来ねぇ」
生半可、だって?ここに居る人がどんな酷いことを経験しているか…
読んでやる。
再び目を赤く染める。ただし、右目だけ。その右目は前髪で隠れているため、傍目には目の色を変えず能力を発動出来るように見えるだろう。
「ごめんね」
…いや、でもこれは。
私と、同じだ。全く、同じもの…
「父親が家に火を付けた。バケモノと呼ばれた。自分の意思に関わらず心が見えた。強盗に襲われた。友だちを失った。家族を失った。大切な人を失った」
私にとってそれはただの言葉の羅列でしかなかった。経験していない痛みは分からない、なんていうけれど。
…なぁんだ、こんなもんか
思わず漏れた声に、鋭い視線が集まる。
「…っ!じゃあお前はどうなんだよ!俺たちより悲惨だとでもいうのか!?」
応えず、再び目を閉じる。
「これが、私の朝霧Aとしての人生」
息を呑む音が聞こえた。
うん、悲惨だった。わかるよ、みんなの痛み。
__だって、
「ぜんぶ、しってるよ。
ぜんぶ、わかってるよ、この痛み」
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水無月 蒼(プロフ) - 煉華♪さん» ありがとうございます。良ければ他の作品もご覧くださいね^ ^ (2015年10月21日 13時) (レス) id: 6d3d08798f (このIDを非表示/違反報告)
煉華♪(プロフ) - とても面白かったです♪ (2015年10月20日 21時) (レス) id: c1551fa23e (このIDを非表示/違反報告)
木戸凛々(プロフ) - 水無月 蒼さん» 見た次の日に最終話をどうしようかと言われ、見られなくなってしまうのでは…と思ってました。何か私が言ってからちゃんと終わらせてくれてありがとうございました^^とても面白い話でした!!こんな作品を作ってくださってありがとうございました! (2015年10月1日 0時) (レス) id: efc1932227 (このIDを非表示/違反報告)
水無月 蒼(プロフ) - 木戸凛々さん» ありがとうございますいます。貴方の応援で、書くことが出来ました。私自身、この作品は初作品ということで思い入れが強かったので、終わらせることが出来てとても嬉しかったです。閲覧、ありがとうございました^ ^ (2015年9月30日 23時) (レス) id: 6d3d08798f (このIDを非表示/違反報告)
木戸凛々(プロフ) - 最近見始めました(昨日)でも凄くはまって…最終話ほしいです!!!がんばってください!待ってますからー!!! (2015年9月30日 17時) (レス) id: efc1932227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 蒼 | 作者ホームページ:ULOG・Twitter→『水無月蒼』で検索
作成日時:2014年9月21日 7時