96話 ページ13
家に帰って、極力いつも通りご飯を食べた。
そのあとはリビングのソファに寝転がって時間が経つのを待った。
時計の針は19時5分前を指している。
この時間を、みんなはどう過ごしてるんだろう。
宗介さんがコンビニに買い物に行っているのが唯一の救いだった。
19時3分前。
そろそろかな。
貴「お母さん。」
母「ん？なぁに。A。」
お母さんの明るい声が鼓膜を揺らす。
ここ数日よく聞く声。
私はこの声が、正直嫌いだ。
貴「お母さんはさ、今幸せ？」
母「どうしたの？幸せよ？」
そうだろうね。
私は起き上がってお母さんを見る。
秒針を刻む音が、小さく聞こえた。
貴「そうだろうね。
嫌いなお父さんと離れて、
好きな人と結ばれて、
故郷にかえれるんだもんね。
お母さんは。幸せだろうね。」
母「A…？」
貴「私にはたった一人のお父さんだったのに。
いつの間にか離婚されて、
いつの間にか知らない人がお父さんになりかけてる。
いつの間にか、ここを離れないと行けなくなってる。
私には今、ここの皆しかいないのに。
ねぇ、お母さん。
あの時＿＿＿＿祭りの日の夜。
私に言ったよね？『ごめんね』って。
あの時、どんな気持ちだったの？
どんな気持ちで、笑って私を送り出したの？
これが私の幸せだと思ったの？」
母「それは…」
ちょっと捲し立て過ぎたかな？
私は一息ついてもう一度お母さんを見る。
秒針の音が、今度はちゃんと聞こえた。
貴「まぁ、教えてくれなくてもいいけどね。
今から、その気持ち体験するんだもん。」
母「A？」
私は立ち上がってお母さんの目の前に立つ。
そのあとにっこり笑ってひときわ大きく息を吸った。
貴「お母さん、ごめんね。
＿＿＿＿私、これからは自分の為に生きることにする。」
秒針の音が、
一番大きく聞こえた。
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ゆみか(プロフ) - Twitter、フォローさせていただきました！モノクマです！頑張ってくださいね！ (2019年3月27日 19時) (
レス) id: bac69d1b88 (このIDを非表示/違反報告)
Rico_neru(プロフ) - めっちゃ面白かったです。。読む度にワクワクしてすごく好きです。。。語彙力なくて伝えたいこと伝えられないんですけど、めちゃめちゃ面白かったです！！できるなら番外編とか、みんなが大人になった時の話とか書いて欲しいなって思います！まだ言いたいことg(((文字数 (2019年1月15日 7時) (レス) id: 77d0490a69 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - この作品のことが忘れられないぐらいハマりました。。。 (2019年1月3日 18時) (レス) id: 7c8b22244b (このIDを非表示/違反報告)
カカオ40% - 一気読みしてきました。ほんとうにこの作品が大好きです！もうちょっと子供でもいいかな。と思えました。 (2018年11月26日 22時) (レス) id: 6c9e999918 (このIDを非表示/違反報告)
坂田 彩(プロフ) - この作品大好きでした。読んでたら涙が…wこれからも頑張ってください。続き、楽しみにしてますね！ (2018年11月1日 16時) (レス) id: d6f419614f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんとわねっと | 作成日時：2018年8月19日 9時
