ツンデレ50 ページ50
「おら入れ」
「此処に森さんが居るの?」
「おう。良いから入るぞ」
叩敲(ノック)をしない。
真逆上司の部屋に入るのに叩敲をしないとは何て非常識な部下だろう。
私でさえするのに。
然し私は思い出す。
彼の人は幼女趣味だと。
中からエリスちゃんの嫌がる声と森さんの甘ったるい声が聞こえる。
成程、其は叩敲しなくても大丈夫だわ。
「失礼します」
私達に気付いたエリスちゃんが駆け寄って私の後ろに隠れる。上の服を剥かれており確実にあちらの人が喜ぶであろう姿。
でも下着だから私は先刻まで着ていた自分の上着をエリスちゃんに着せた。
「わぁ…大きいわね!貴女の匂いがするわ!」
嬉しそうに上着にくるまりすんすんと匂いを嗅ぐエリスちゃん。
可愛過ぎる。
「臭くないかな…大丈夫?」
「うんっ!とっても良い匂いよ!あっ、リンタローは匂っちゃ駄目よ」
背後に居た森さんが膝から崩れ落ちていた。
顔が整っているだけあって見たくなかった感が凄い。
見たくなかった。
「其で、私は何故此処に呼ばれたんでしたっけ?」
「嗚呼そうそう。先日は大丈夫だったかい?疲れているだろうに済まないね、突然」
「いえ、遊んでいただけですし大丈夫ですよ」
「そうかい。まぁ其で、一つ忠告だ」
真剣な顔になる森さん。
マフィアの顔をしているのが新鮮だと思った。
「私達と居ると、探偵社の人間と居るよりこの様な事件は増える。其で一つ提案があるのだよ。そして其を伝言者(メッセンジャー)として探偵社にも伝えて欲しい」
「はぁ…其は構いませんが…何ですか?」
「君を二組織で誘拐や危険な目に合わない様に全面的に保護する事」
理解するのに満二十秒掛かった。
そして一言。
「社長の訓練で足りないなら中也君体術教えて」
「話の流れ」
厭だって、ねぇ?
私そんなのやだよ何でそんな過保護なのポートマフィア。
他にも居るじゃない守るべき人。
ナオミちゃんとか春野さんとか鏡花ちゃんとか与謝野さんとかひぐっちゃんとか銀ちゃんとか。
「そもそも中也君とか私の事嫌ってる面々は賛成したんですか?」
「勿論満場一致でね」
「まじか」
「首領?!?!」
中也君が叫ぶ。
顔が赤い理由は如何でも良いとして。
そこでふと思い出す。
「そう云えば夢野久作君の事なんですけど」
部屋の温度が急激に下がった。気にせず続ける。
「彼といつでも逢える様にして下さい」
「嗚呼、構わないよ。君の好きな様にし給え」
……良いんだ。
1507人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かりんとう(プロフ) - あ、あ、あんこおおおおおおおお!!!読んでる途中だけどコメントするわ。ツンデレ26の中也が可愛すぎてニヤニヤとまらんのだが助けて!!?!?((しらん (2019年12月18日 19時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» わわわっ!嬉しい!!!是非是非呼んでー!!! (2017年4月28日 22時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - ありがとう…!あんこって、呼んでもいいかな? (2017年4月28日 20時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - id=es(旧カシ魔女)さん» イドさんですね!了解しました!ではお言葉に甘えてこれからはタメで話させて貰いますね!私もタメ大歓迎なので是非お気軽に呼んでやって下さい!! (2017年4月28日 0時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
id=es(旧カシ魔女) - あんこさん» 本当ですか!嬉しい…!!文ストを語れるお友達が…ついに…!!!!私のことは気軽にタメ口でどうぞ!あ、ハンドルネームは『イド=エス』と読みます。イドとお呼びください! (2017年4月27日 21時) (レス) id: bd9f4f1f85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ