扱い酷くないですか皆さん【文豪ストレイドッグス】

ツンデレ49 ページ49

「ったく…何で周りの奴等に聞かねぇンだよ…」

「皆忙しそうじゃん」

“殺されて無いのが私不思議で堪らないんだけど”と云えば、まぁ概ね思った通りの事を中也君は口にした。

「首領が手前に傷一つ付けたら殺すつったからな」

「莫迦なんですか？」

「手前がな？」

久作君が爆笑する。

私は久作君の頭を撫で乍話す。

「ほんと何で私敵なのに守られてるの？誘拐もどきされた時なんかも一緒に来てたし。え、何なの？私異能特務課に消されたりしない？」

「その前に異能特務課の屑共を俺達が排除する」

「やだぁ物騒ー」

「じゃあぼくもお手伝いするよ☆」

「久作君？！」

“いつかおねーさんにぼくのすっごい異能見せてあげるよ！”なんてにっこりと可愛い笑顔で云われれば是と云わずにはいられない。

中也君はやめとけって呆れた様に云ってた。

久作君の異能は、精神を操るものだから、余り良いものでは無いらしい。

精神を操るって何か厨二病みたいだよね！

「ンじゃまァ行くか。首領がお呼びだ」

「中也君の敬語って気持ち悪い」

「ンだとゴラ！！！」

「あはははっ！じゃあまた逢おうね！柚おねーさん！」

ただただ可愛い。

くどいけどもう一度言いたい。

バリめちゃくちゃほんとやばい可愛い。

「……短時間で随分と懐かれたな」

「え？んー、何でだろ」

「手前が……厭、矢ッ張り何でも無ェ」

歯切れの悪い中也君は放っておいて、私はもう気にしない事にした。

思えば中也君達とも気付けばって感じだったしね。

「なぁ」

「なに？」

「手前には好きな奴って居るか？」

「えー、沢山居るなぁ」

中也君はいつになく真剣な顔。

其で、友達としてでは無い方を聞いているのだと悟る。

なら答えなきゃいけないのは一つだけだったのに。

居ないから皆が好きだと云うしかない。

「柚さん」

「あ！あくちゃん！お仕事終了？」

「はい。一人にしてしまい申し訳ありませぬ。中也さんと合流されたのですね」

「そうそう！久作君の所で迷子になっちゃってね〜あくちゃん仕事中だし中也君なら良いかなーって」

そう云うと、ぼそりと何かを呟いたあくちゃん。

よく聞こえない。

まぁ思わず零れたって感じだったし態々聴かなくても良いかと思って、二人に挟まれてとんでも無い威圧を感じ乍私は森さんの元へ向かった。

中也君とあくちゃんが睨み合っている事など、私は全く気付かなかった。





『……僕を呼んで下されば良かったのに』

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